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冬山合宿A隊 爺ヶ岳(東尾根)

爺ヶ岳2
山域:後立山連峰 爺ヶ岳東尾根
メンバー:なべ岳(L)、シュー、gaku
12月28日(木)
相模原・大阪=信濃大町=大町運動公園(幕営)
gaku、なべ岳は、相模原を20:00頃出発。大阪在住のシューと23:30に信濃大町駅で合流。大町市運動公園内の駐車場にて幕営。積雪が残っているところもあるが、駐車場に積雪はほとんどない。公園内のトイレも使用できたので、快適な一夜だった。他の車中泊者、幕営者見当たらず。
12月29日(金)
大町運動公園(7:30)=鹿島山荘(8:15)〜ジャンクションピーク〜
P2(2198m)直下(16:00)(幕営)
7:00の雪崩ネットワークの更新情報を見ると、白馬エリアは森林帯〜アルパインエリアまで全て危険度が(High)になっていた。
取り付きの鹿島山荘(閉鎖しているようだった)の前の道路傍にはすでに数台の車が駐車されていた。除雪をして駐車スペースを作った。B隊の3人は少し前に到着していて、合流して出発。
鹿島山荘の脇を通ってすぐに石碑があり右に進む。涸れ沢を渡ってすぐの急な尾根が東尾根の取り付き。車からおよそ5分ほどのアプローチだった。
取り付き直後に木が生えていない斜面があり、雪崩に要注意。(下山時にデブリになっていることに気づいた。)
すぐに大学生パーティーに追いつき、追い越す。予想以上に多くのパーティーが入山しているようだった。B隊とは次第に離れて、途中から別行動になった。
ジャンクションピークから先もトレースは伸びており、苦労せずに歩を進めた。途中、ナイフリッジ状になっている箇所があったが、トレースがあるのと、他のパーティーがフィックスしたと思われるロープが張ってあり、問題なし。トレースがなければ、ロープを出していたかもしれない(30mを持参)。灌木があり、支点は取れそうだった。
樹林帯で幕営することも考えたが、結局P2直下まで標高を上げて幕営した。幕営地近くではトレースがなくなってラッセルを味わい、強風にも曝せれて、厳冬期の北アルプスを少し感じることができた。
12月30日(土)
幕営地(8:45)〜P1〜爺ヶ岳中峰(12:50)〜1850m地点(幕営)(16:00)
昨夜からの降雪で、テント周囲の積雪は30〜40cmはありそうだった。7:00に雪崩ネットワークの更新情報を確認すると、白馬エリアは森林限界〜アルパインエリアは(Modarate:留意)になっている。が、よく読むと森林限界〜アルパインエリアでどのくらいの積雪量があったかは不明とあり、ほとんど参考にならないようだった。天気予報は、1日良く行動に支障はないが、稜線上は15〜20m/秒ほどの強風のようだ
テント周囲の積雪は、湿雪のようだが安定性はない。地形図とにらめっこをして、どの辺りが雪崩のリスクが高い地形か確認し合う。とりあえず、降雪直後であることを考えて、9:00頃から行動開始をすることにして準備をした。
テント脇で大の方をしていると、後続パーティー(以下後P)が上がってきた。ちょっと待ってもらった・・・。
P2直下の斜面は見た目やや不安だったが、後Pが登るのを見ていると雪は締まっているようであった。
暁パーティーも行動を開始して、しばらく一緒に登っていたが、後Pはこれからの天候悪化が心配なので11:00をめどに下山をするとのこと。3人でのラッセルになり、急にペースが落ちた。進軍に苦労していると、今度は上から法大山岳部パーティーが下りてきた。10人近い大人数だったのでまたトレースがありそうだったが、所々で残っているが、強風下では一瞬で消えてしまうようで、ラッセルが続き、やはりペースがなかなか上がらなかった。
爺ヶ岳3
爺ヶ岳5
しかし、冷池方面への縦走も想定して全装備で行動していたので、焦りはなく山頂に向けて確実に歩を進めていった。山頂直下は、強風の影響だと思われるがラッセルはなく適度に雪が締まっていて登りやすく、意外とあっと言う間に山頂に飛び出た。
山頂での強風と、明日以降の天候悪化があり、冷池方面への進軍は全く考えることなく下山を選択した。(後で聞いたところ、シューは未練があったらしかった。)
下山時もラッセルと、30m/秒はありそうな相当な強風下での行動だった。狭い稜線上でも強風に曝されたので教科書的な耐風姿勢など取れず、なんとかやり過ごした感じだったが、良い経験になった。
山頂ではガスに覆われていたが、下山途中で空は晴れ渡り、東側が白く輝いた鹿島槍を見ることができた。
16:00頃まで行動して、1850m地点の樹林帯で幕営した。
爺ヶ岳4
12月31日(日)
幕営地(6:30)〜ジャンクションピーク〜鹿島山荘(9:30)=相模原
西から低気圧が近づいてきていたが、まだまだ雲は高く、日の出も見ることができた。
ジャンクションピークには、20人は泊まれそうな立派なテントサイトが設営されていた。テントにはDAAC(防衛大山岳部)と印されていた。
取り付きの急な尾根の斜面を慎重に下り、無事に下山して握手を交わした。
上原の湯に立ち寄り、信濃大町の昭和軒でソースカツ丼、かつ重をいただき、横浜に帰省するシューも一緒に帰路に着いた。渋滞なく、順調に相模原に到着した。

会山行 谷川岳周辺

東尾根3
山域 谷川岳周辺(一の倉沢衝立岩中央稜、東尾根、馬蹄形縦走、天神尾根)
日程 2017年10月7日(土)〜8日(日)
メンバー
(一の倉沢衝立岩中央稜)岳(L)、みの
(東尾根)のり(SL)、わたゆき、ふみ、なべたけ(L)
(馬蹄形縦走)こば(L)、しょうご
(天神尾根)会長(L)、会長夫人、ちじい、  さつき、仰平
10月会山行は、毎年恒例の谷川周辺。お天道さまとのタイミングが合って、4パーティーに分かれてまずまず充実の山行になりました。

東尾根シンセンのコル付近 紅葉最高でした!
東尾根シンセンのコル付近
紅葉最高でした!

シンセンのコル近く

東尾根隊のメンバー
東尾根隊のメンバー

 

登攀終了してテールリッジを下山するみのさん
登攀終了してテールリッジを下山するみのさん

 

なにかカッコイイ岳さん
なにかカッコイイ岳さん

 

大渋滞天神尾根
大渋滞の天神尾根

 

不死身の中年、こばさん
不死身の中年!こばさん

みなさま、おつかれ山でした!!

夏合宿A隊 剱岳

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山域:立山 剱岳・本峰南壁A2稜登攀、八ツ峰主稜(撤退)
メンバー:なべ岳(L、記録)、岳(気象、写真)、みの(装備)、のり(気象、写真) ※食料各自、会計担当なし

8月10日(木)
愛甲石田=相模原(22:00)=扇沢(2:00)無料駐車場にて幕営

1か月前、剣のことは、全く考えていなかった。
ここ1〜2か月は、深い釜やゴルジュを持つ沢に入っては泳ぎ、急流で渡渉訓練を繰り返し、上ノ廊下への気持ちを高めていた。
しかし、漠然とした不安感は経験の少ない4人のなかでずっと流れていて、準備を重ねると同時に、いつ撤退しなければならないか思案している状態も感じていた。
上ノ廊下は、沢登りへ向かう者にとって憧れの響きがあって気持ちが高ぶるが、そんな人間の気持ちなど簡単に勢いよく生死の淵に流してしまうところなのではと考えていた。(事前の情報では、森麻呂さんたちが7年前に遡行した記録を最も参考にした。)
とにかく、遡行の可否は、水量と天気によることは間違いないと考えていた。事前の情報収集のために、奥黒部ヒュッテに電話をしてみると(室堂山荘につながった)、直前に4日間は好天でないと水量は落ち着かないとのこと。しかし、夏季4日間全く降雨がないというのは現実的でないので、直前の降水量の問題だろう。今年は、雪渓が多いので水量が多い可能性もある。例年8月上旬に入渓したパーティーはほぼ撤退しているか強行した場合は遭難している、お盆の時期も半分以上は戻ってきて、行ったパーティーはよく遭難するという記録もあった。
様々な情報があるが、結局現地に行って自分たちがどう感じるか、それにつきるのではとも考えていた。
合宿3日前。台風5号が西日本に停滞。黒部も影響を受けているようだった。(気象庁のアメダスは1時間毎の数値データで参考にしやすかった。立山芦峅を参照した。)少なくとも合宿2日前までは、降水量が多い状況で、それ以降合宿期間中にかけても降雨の予報が出ていた。現地で判断をしたい気持ちもあったが、貴重な合宿期間であり、遠路のため交通費も度返しすることはできない・・・上ノ廊下を断念して、最終準備会で話し合っていた剣への変更を決定した。
上ノ廊下残念無念・・・だったが、メンバーのテンションは逆に上がっているようだった!
岳さん、のりさんにとっては、初剣。みのさん、なべたけも久しぶりに目指すことになった。
ルートは、八ツ峰主稜縦走、本峰AII稜に決まり、リーダー以下メンバーの気持ちは、上ノ廊下の時より晴れているような感じがしたのは気のせいか。

合宿前夜、お盆の連休前日で圏央道が渋滞しており、回避して相模湖ICから中央道へ。途中、八ヶ岳の麓の富士見町に転居した岳さんをピックアップして、扇沢へ。
扇沢の無料市営第2駐車場は、満車に近かったが(扇沢駅に近い方の無料駐車場は、翌朝に開放されていた)、車の後ろにテントのスペースを空けて駐車することができた。

8月11日(金) 曇り時々晴れ
扇沢駐車場(7:10)=(トロリーバス)=黒部ダム(8:15)〜内蔵助谷出合(9:35)〜内蔵助平(12:15)〜ハシゴ谷乗越(14:15)〜真砂沢ロッジ(16:15)幕営

黒部ダム
黒部ダム

 

黒部川を内蔵助平へ向かう
黒部川を内蔵助平へ向かう

 

内蔵助平
内蔵助平

合宿初日は、真砂沢まで明るいうちに着ければいいので、ゆっくりスタート。道中もゆっくりペースで進む。概ね曇っていたが、展望は良く、黒部の懐に入ってきていることを実感することができた。ハシゴ谷乗越の後、八ツ峰へ伸びる岩稜の威容に圧倒される。空を覆い尽くすような存在感。こんな山に本当に登れるのだろうかと感じた。
夕刻、剣沢に降り立つ。人気はなく、崩壊した雪渓の巨大な割れ目から聞こえる沢の爆音のほかは静かだが、ここが黒部のメインストリートだ。
10分ほどで、真砂沢ロッジに到着。テン場は20〜30張ほどのテントで賑わっていた。
テントを設営、早速ビールを購入して、乾杯。ロッジで明日予定している八ツ峰主稜の情報収集をする。取り付きになる、I・II峰のコルへの雪渓は崩壊していて、通行困難。熊の岩から上部の右俣、左俣の雪渓も崩壊が進んでいるとのこと。全装備を担いで主稜を縦走〜熊の岩は早々に諦めていた。天気は、朝6:00〜9:00の間に降雨があり、その後は落ち着くとの予報。Ⅵ峰から上部の縦走〜真砂沢ロッジに戻る行程の可能性を話し合い、明日に備えた。

8月12日(土) 雨時々曇り
真砂沢ロッジ(6:30)〜長次郎出合〜長次郎谷〜八ツ峰Ⅴ・Ⅵのコル(10:00)〜
長次郎谷〜長次郎出合〜平蔵谷出合〜真砂沢ロッジ(13:00)幕営

4:00起床。6:30真砂沢を出発。すでに、多くのパーティーが行動を開始している雰囲気だった。夜間は、雨は降らなかったようだ。
長次郎谷の出合に着く前から、降雨が始まる。岳さんは、出発時からレインパンツを装着していた。長次郎谷の出合で、みのさんがワークマンで購入したという雨具(パンツ)をハーネスを外してから装着する。撥水力が抜群で、透湿性もそれなりにあり、ジャケットは鮮やかな赤色の配色でかっこよかった。上ノ廊下用に購入したらしい。のりさんとなべたけは、雨は9:00までとの予報を信じてレインパンツは履かず、雨が止めば服はすぐ乾くと思いながら行動を続けた。

剣沢から長次郎谷へ向かう
剣沢から長次郎谷へ向かう

長次郎谷は、熊の岩の至近まで特別な問題なく雪渓を登ることができたが、ところどころで雪渓が爆音とともに崩れ落ちていた。Ⅰ・Ⅱのコルへの雪渓は情報通り大きく崩壊しており、とても近づける状態ではなかった。熊の岩の上部、右俣、左俣を見渡せたが、どちらもクレバスが目立っていて、やはり通行にはかなり困難があるようだった。長次郎谷には、10パーティー以上入っているようだったが、コンディション不良で下山してくるパーティーも見られる。
10:00、Ⅴ・Ⅵのコルに到着。長次郎谷からコルへの雪渓は半分以上なくなっていて、ガレ場通しで登ることができた。
降雨は続いて、岩は濡れそぼっていた。先行の2人パーティーが、ロープを出してⅥ峰の下半部に取り付いていた。登山体系の記述によると、Ⅵ峰の登りは見た目よりやさしいとあるが・・・、このコンデションの中、たどるべきルートは見当たらない。もし、ロープを出して登るとすると、私たち4人では相当に時間がかかることもあり、撤退を決めた。

Ⅴ・Ⅵのコルへ
Ⅴ・Ⅵのコルへ

 

撤退!
撤退!

AⅡ稜に備えて、平蔵谷を偵察して真砂沢に戻った。平蔵谷は、長次郎と比べると、傾斜がやや強いようだったが、それほどではない。しかし、上部はガスに隠れて見渡せなかった。
真砂沢に戻ると、雨は上がり、青空が覗くようになった。午前中の天候で、多くのパーティーが予定を切り上げて戻ってきているようだった。
夕刻になって、私たちの前でⅥ峰に取り付いていた2人パーティーが無事に戻ってきた。岳さんが話に行くと、登らないで正解だと言われたとのこと・・・。
なべたけは、寝不足が影響しているのか調子が悪く、午後の大半をテントで寝て過ごした。
他のメンバーも明日に備えて、19:00には就寝。

8月13日(日) 晴れ
真砂沢ロッジ(5:05)〜平蔵谷出合(6:30)〜AⅡ稜取り付き(9:15)〜登攀開始
(10:55)〜剱岳山頂(14:50)〜池ノ谷乗越(?)〜剱岳山頂〜平蔵のコル〜平蔵谷〜真砂沢ロッジ(19:20)幕営

3:30起床。5:00すぎに真砂沢ロッジを出発。昨日は雨の中、少し陰鬱な気持ちで登った長次郎谷を横目に、平蔵谷の出合へ向かう。雲の向こうに青空が広がってきていた。

平蔵谷
平蔵谷

平蔵谷の出合から平蔵のコルまで、岩の神殿に囲まれた広大な白い廊下が伸びていた。出合に聳え立つ源次郎側の岩壁は、現実感がないにもほどがあった。あまりにも巨大で、コルまでの距離感がつかめない。雪渓の上には、おそらく源次郎側の岩壁からのものなのだろう、冷蔵庫大の巨石がゴロゴロしていた。いつ落ちてきたものなのか・・・。まさに岩と雪の殿堂。青空の配色と、日が昇り、光と影が際立っていくとさらに荘厳さ、美しさが増していく。滑落すれば、出合までノンストップのような平蔵谷の斜面。クレバスの横のスノーブリッジのようになっている箇所を通過した。一歩一歩緊張しながら登っていくが、自然の極致の美しさに囲まれ、一つ間違えれば死が待ち構えている瞬間にしっかりと生に踏みとどまっているこの時こそ、私たちが山に求めているものなのかもしれなかった。(ちょっと大げさ・・・?)
岳さんは、急しつらえのアイゼンがアプローチシューズにやや合わないため、前爪が靴の先端から少ししか出ていない状態で、前爪を利かすことがほとんどできない。
なべたけは、沢用の(ピック・石突きが付いている)ハンマーだけを持参したため、急斜面で心もとなく、のりさんにストックを借りて登った。
(岳さんちゃんとアドバイスできず、すみません・・・。雪渓を少し甘くみていました・・・。)
急の変更があり、少し準備不足は否めないが、補って余りある剣のロケーション!!

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AⅡ稜に数パーティーが取り付いているのが見える
AⅡ稜に数パーティーが取り付いているのが見える

1時間半ほど平蔵谷を登ると、雪渓の中央にインゼル状に岩が露出した箇所があり、そこで小休止。南壁が大分近づいており、ルートを判別するが、手がかりが登山体系のシンプルなルート図だけで、AⅡ稜がどこか判然としない。南壁に近づくと、いちばん右側の伸長なリッジに取り付いているパーティーが見えた。そのリッジから数100m平蔵のコルよりに他のパーティーの一団も見えてきた。山頂からほぼ真下に位置しているようで、そちらに私たちも向かった。先行パーティーに声をかけるとAⅡ稜であると教えてくれた。ルンゼからの落石に気をつけながら、取り付き近くの快適なテラスに移動する。長い順番待ちになりそうだったが、強い日差しだけが気になるだけで、なんにも不満はなかった。一応、隣のAⅠ稜の偵察に行ってみたが、雪渓に阻まれて取り付きまでいくのにも苦労しそうだった。
時間もたっぷりあり、不安は先行パーティーからの落石くらいだった。日が上がるにつれて雲が多くなってきたが、急激に悪くなりそうな様子はなかった。
岳さんのりさん、みのさんなべたけペアで、登攀開始。のりさんはすでにかなり充実している様子で、なにか輝いているようだった。1人アプローチシューズを履いて、1ピッチ目リードでスタートした。

小町さん、岳さんのりさんペアの後ろからリード
岳さんのりさんペアの後ろから、小町さんリード

 

岳さんロープをスカイラインへ伸ばす
岳さんロープをスカイラインへ伸ばす

だいたいⅢ級〜Ⅲ級(+)の岩稜帯を4〜5ピッチで登る。小町さんは、2ピッチ本チャン初リード。ルート上は、心許ない錆だらけのハーケンが無数に残置されていた。信頼性はほとんどないが、ロープを伸ばすのに苦労はなかった。カムを各パーティー2〜3サイズ持参したが、もう少し持ってくれば良かった。その後の山頂直下は、ガレ場を頂上に向かうが悪いところはほとんど無かった。
15:00前に山頂到着。AⅠ稜を上がってきたというパーティーと挨拶を交わした。IMG_20170813_145623_xlarge
北方稜線へは、この先危険、立ち入り禁止の看板、「✖️」マークが岩についていたりするが、稜線ははっきり見えているので注意をしながら、長次郎の頭を目指した。北方稜線を上がってくるパーティーも多い。八ツ峰を縦走してきたらしい老若男女に次々と出会った。長次郎谷の左俣から下降する算段だったが、結局、行く手をクレバスと装備不足の不安に阻まれてしまった。登り返しをして再度山頂を踏み、平蔵谷から下降した。
この日私たちが、真砂沢に戻ってきた最後のパーティーになっただろうか、なんとかビールを購入することができる時間に戻ってくることができた。
今日の成功を、握手を交わして分かち合った。

8月14日(月) 晴れ
真砂沢ロッジ(7:00)〜ハシゴ谷乗越〜内蔵助平〜内蔵助谷出合〜黒部ダム(14:30)=(トロリーバス)=扇沢=帰宅

ゆっくり起床、ゆっくり帰路に着いた。なべたけは、9年前は、八ツ峰Ⅵ峰の事故があり室堂経由で下山していたので、少し感慨があった。
内蔵助平で、沢に浸かって3日間の汗を流した。しかし、1分も浸かっていられないほどの沢の冷たさだった。上ノ廊下はどうなのだろう・・・と思いを馳せた。
14:30黒部ダムに到着。
トロリーバスの乗り場は、お盆の観光の人気でごった返していたが、エアコンで涼しく、天井のモニターで甲子園を見ながらで、苦にならなかった。30分ほどの待ち時間で、バスに乗り込めた。
薬師の湯でさっぱりして、信濃大町駅に移動。昭和軒は、大変混雑していたので、駅前の豚のさんぽというお店でラーメンをいただいた。店を出ると20人くらい並んでいたので、タイミングが良かった。
帰りの高速道路も、お盆の中日のためかほとんど渋滞はなく、途中、富士見町で岳さんが下車、残りの3人も順調に神奈川へ帰ってくることができた。

春合宿A隊 五竜岳〜鹿島槍〜爺ヶ岳

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山域:後立山 五竜岳〜鹿島槍ヶ岳〜爺ヶ岳 縦走
日程:5月3日(水)〜5月5日(金)
メンバー:navetake(L、記録)、gaku(気象、写真)、fumi(食料、会計)、 mino(装備)、nori(気象)

5月3日(水) 晴れ
白馬五竜アルプス平(9:00)〜小遠見山(11:00)〜大遠見山(12:30)〜
西遠見山(13:20)〜五竜山荘(14:30)幕営

前夜22:00橋本駅集合。gakuデリカ号に5人乗り込む。圏央道の渋滞情報があり、相模湖ICから中央道へ。安曇野で高速を下りて、白馬村へ向かう。幕営場所の予定だった白馬の道の駅は騒音が大きいらしく、C隊が使用した白馬村の無料駐車場に変更して幕営した。

朝6:00頃起床。各自軽い朝食をとって、gakuデリカ号で白馬五竜スキー場へ。
テレキャビンでアルプス平まで。アルプス平は、GW後半初日、スキーやスノボー、多くの登山者で賑わっていた。アルプス平は標高1515m。初夏の青空と白銀の色彩が眩しい。
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天気は、5日までは概ね良好のようで、5連休初日、だいぶ心持ちが軽い。
リフト終点駅まで徒歩10分ほど。五竜岳に向かう遠見尾根は、登山者が数珠繋ぎになっていた。
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右側の八方尾根を望みながら小遠見山までなだらかに登ると、北壁を正面にした鹿島槍の眺望が広がった。小遠見山から西遠見山まではおよそ2時間で標高250mを上がる緩やかな尾根で、各パーティーが思い思いに幕営地を決めてテントを張っている。
360℃の白銀と紺碧が続く中、プラスティックボトルに雪を入れて溶かしながら水分補給をして歩を進める。

西遠見山からコルへ下る手前でアイゼンを装着。ここまでfumiさんがトップで歩いたが、gakuさんと交代する。ピッケルを手にコルへ下りて白岳に取り付く。
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白岳の登りは、広大なカール地形の雪壁を右から左へ大きくカーブするように五竜山荘方面へトレースがつけられている。遠望していた時は、広大なカールに直接取りつくイメージは、雪崩のリスクを考えるとなく、リッジ上を進むと考えていた。しかし、近くまで来てみると雪は安定しているようで、リッジを進むより合理的なルートに感じられた。minoさんだけが、「う〜ん。あの雪壁をショートカットして登るのでしょうね〜」と遠くから予想していた。

fumiさんは、雪壁の上部まで登りコルへのトラバースに入ると、だんだん雪山入門の悪い見本のように、山側に張り付くように前進している。一歩踏み外せば沢の末端部まで1000mくらい滑り落ちそうな雪壁で、雪山経験の少ないfumiさんには自然なことだ。それでも、1歩1歩、確実に歩を進めていた。

白岳と五竜のコルにある五竜山荘に14:36到着。五竜山荘まで進むことができ、明日以降の厳しいルートを前に多少の余裕を感じられた。
テントの設営に手間取ったが(最初陣取ったテントサイトに、6〜7人用のジャンボが入りきらず、結局移動した)、コル上の雪面に張ることができた。テントの設営場所は、それぞれにこだわりがある。調整がうまくいかない時があるが、それだけ余裕があるからかもしれない。
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風はなくまだ寒さを感じなかったのでテントの外で乾杯!五竜山荘は営業しているが、幕営料金はナシでよいとのこと。ビールは購入させて頂いた。夕食は、fumiさんが仕込んでくれたペミカンの豚汁。美しい夕焼け。山の至福の時。20:00すぎに就寝した。

5月4日(木) 晴れ
五竜山荘(5:45)〜五竜岳(7:15)〜八峰キレット小屋(17:40)

4:00起床。テントを撤収、5:31五竜山荘を後にする。gakuさん先頭で行動開始。
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風はほとんどなく、空は紺碧。五竜の山頂に向かうトレースは、しっかりとついていて、すでに山頂を往復してきた登山者と挨拶をする。最高の山々の景色に、みんなが幸せを感じているようだ。
1時間半ほどで五竜山頂。しばし、記念撮影。そしてここからいよいよ鹿島槍への縦走路へ。
昨日会った学生パーティーが鹿島槍へ縦走するとのことだったので、トレースがあるかと考えていたが、一晩たって消えてしまったのか、判然としない。五竜山頂直下は、パーティーによってはロープで下りる急斜面との事前情報があった。下降場所を見つける。gakuさんトップで、ロープを垂らしていく。急斜面だが、経験があればロープがなくても下りれそうだった。しかし、慎重を期した。
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その後は問題のない斜面が続いた。振り返ると、五竜山頂の南側の沢筋をスキーで直滑降してきているスキーヤーが見えた。ほとんど垂直のような沢筋を降りてきており、驚愕する。こちらから歓声をあげると、手を振って応えてくれた。
しばらくして(1時間弱くらいだったか?)切り立った尾根(G5を越えたところのやせ尾根?)にぶつかる。ここは懸垂が無難のようだったので、やや頼りなさげだったが懸垂には十分な、木の根っこを支点にして下降した。(木の根には、朽ち果てたスリングの残置があった。)
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鹿島槍への縦走路は、静かだった。風はほとんどなく、空は穏やか。メンバー5人のほかの登山者はいない。剣に遠くからずっと見守られているかのようだった。
北尾根ノ頭の手前で(?)、縦走路に登山者の人影が見えた。こちらへ向かってきているようである。「おおお!やった〜これでトレースが期待できる」と、minoさんが小踊りする。

その後、北尾根ノ頭だったか?3名パーティーに出会う。このパーティーはすでに進軍をやめて、幕営をすることにしたらしい。
口ノ沢のコルを越え、尾根の西側の斜面をトラバースしながら進む。40°ほどはありそうな雪面をトレースのあとを追って進んでいく。踏み外せば谷の末端まで自然落下しそうな箇所が続くが、気持ちを集中して通過していく。午後に入って、昨日もそうだったが、雪崩の音が時々山に響き渡る。積雪の安定性は低下してきている。トラバースの箇所は、お互いに声を掛け合って、状況に応じて間隔を置いて歩いた。キレット小屋に向けて、雪面のトラバース、登下降を繰り返しながら進む。
夕方になり、朝からずっとトップを歩いてきたgakuさんが、お腹の調子を悪そうにしている。雪を溶かしながら水分補給をしていたが、その影響かもしれなかった。navetakeに先頭を交代する。
八峰キレットと言うくらいで、何度も岩峰を回り込んだ。次のコルにキレット小屋があるかと、期待するがなかなか小屋は現れない。鹿島槍北峰が手が届きそうなくらいに近づく。やっと、小屋まで15分との小さい看板が現れた。小屋までの最後のトラバースの箇所で、やや斜度があり積雪がかなり腐ってきていたので、慎重を期してロープを出した。
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夕暮れ間近になって、小屋に無事到着した。夕焼けに染まった剣が、よく頑張ったと私たちを褒めてくれているようだった。しかし、もしトレースがなかったら明るいうちにたどり着けなかったかもしれない・・・。
小屋の周辺は、ジャンボテントを設営するにはギリギリのスペースしかなかったが、なんとか設営してテントに潜りこみ疲れを癒した。
なんやかんやで、22:00まえに就寝。

5月5日(金) 晴れ
キレット小屋(5:15)〜鹿島槍ヶ岳北峰・南峰のコル(11:00)〜鹿島槍ヶ岳南峰
(12:05)〜布引山(13:00)〜冷池山荘(14:00)〜爺ヶ岳南峰(16:50)〜爺ヶ岳南尾根〜柏原新道登山口(21:00)

3:00起床。やや寝不足気味だが、天候悪化の可能性があり、早めに行動を開始。
5:00すぎにキレット小屋を後にする。と、いきなりのはしご。いやでも目が覚める。さらに、切り立った岩峰を鎖を頼りに回り込んで進んでいく。積雪がある箇所とない箇所のミックスだが、早朝の雪が締まっている時間であり、歩きづらさは感じない。今日も朝から天気が良い。心地いい緊張感。昨日、少し調子を崩したgakuさんもトップで気持ちよさそうに登っている。
幅5mほどのギャップに15mほどの懸垂で下りた後、2ピッチロープを伸ばして登った。リードをする岳さんのクライミングは、精神的にも技術的にもとても安定して、楽しんでいるように見えた。
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その後も気の抜けない箇所が続く。休憩中にminoさんが、バランスを崩しかけて一瞬落ちるかと思った場面があり、かなりヒヤッとした。
最後の登り。鹿島槍北峰と南峰のコル、さらに南峰へ抜けていく。
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12:00すぎに鹿島槍南峰に到着。
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昨日までに比べると、雲がやや低くかかってきていたが、風はほとんどなく、強い日差しが照り続けるなか、爺ヶ岳に向かう。途中、冷池山荘で登攀用具を外す。
大きな難所はなく、爺ヶ岳南峰南尾根経由で下山する。
柏原新道に合流した後、登山口近くまで残雪があり、やはり最後まで気を抜くことができなかった。一番雪山の経験が少ないfumiさんだったが、合宿を通して、1歩1歩がより確実に、自信を持って歩けるようになっていたのが印象的だった。
登山口に下山したのは結局21:00・・・。非常に長く充実した合宿最終日になった。

(記 nvetake)

■感謝すること
minoさん:何気ない三日間通しての皆への気配り、ありがとうございま
す。
今後もお互いに切磋琢磨できればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

navetakeさん:リーダーとしての全体への心配り、ご苦労様でした。
現場、現場での判断、声がけ等助かりました。
またリード部分たくさんやらせて頂いてありがとうございまし
た。
大変楽しむことができました。
今後もご指導の程、どうぞよろしくお願い致します。

fumiさん:事前の食事準備お忙しい中ありがとうございました。
葛根湯も頂きありがとうございました。
fumiさんがいたことでチーム全体の雰囲気がとても明るくなり
ました。感謝であります。

noriさん:リスクに対する感覚が僕よりも鋭いので、良いブレーキとして
働いてくれました。
noriさんがいなかったら事故があったかもしれません。ありが
とうございました。
また他会からの知恵を伝授頂き、感謝です。
今後も色々とご教示頂けると幸いです。

メンバー全員:二日目の夜は早々にクタバッてしまい、水作り等皆にお願いしていたり、心配かけたり、申し訳ございませんでした。
これに懲りず今後も山行ご一緒頂けると幸いです。

お天道様:三日間良いお天気をありがとうございました。

お山様:今回も良い修行となりました。ありがとうございました。

■嬉しかったこと
・初めて雷鳥が見れた。
・後立山周辺の概要が把握できた。
・三日間無事に歩き通せた。
・お天気に恵まれ素晴らしい景色の中を歩けた。
・事故が起きなかった。
・お山に仲間と三日間籠もれたこと。

■学んだこと
・金曜準備、金曜出発だと荷物が厳選できず他メンバーより荷物が重くなってしまった。
前日には荷物の準備は終えておくべき。

・雪で水分補給を繰り返してたら腹下した。

・ザックカバーを使った荷物整理。

・食料/水分補給/休憩のタイミングは皆で揃えないとペースが乱れて疲労につながる。
自分だけリード終了後、食料/水分補給を済ましていたため皆の疲労に気づけなかった。
できればロープワーク中等待機時間は食料や水分補給を済ましていて欲しいが、そこの声がけも足りなかったように思う。

■ヒヤリハット報告
・八ツ峰キレットでのラペル終了後、早めに解除し、雪が腐っていたところに足を突っ込み、バランスを失い頭から滑落しかけた。
あそこで滑落したら命は無かった。絶対安全な場所が確認できるまではラペルを解除すべきではない。

・日が落ちた後、南尾根下山途中、雪が腐っていて、体全体が滑り落ちかけた。
隣の松の枝をとっさに掴んだので助かったが、あそこも滑落していたら長い距離になった。
危ない注意すべき場所だったのに、気が緩んでいたのかもしれない。
広い雪斜面に入ったら集中力のスイッチを切り替えるべし。

gaku

2017年 春合宿 A隊                  fumi
食当
2泊3日の夜ご飯はペミカンとアルファ米。事前に準備するとゴミの量が少ないこと、暖めればよいので手間がかからない、ガスの使用量が少なくて済んだところがよかった。がしかし、下山後ゴミ袋が破裂してペミカンの汁がザックの中で溢れていた。最終日であったのが救い。ゴミは下に入れるのではなく上に積む。もしくは一番下に入れる。
春の残雪期の登山
鹿島槍ヶ岳には、爺ヶ岳からのピストンで去年の6月に南峰まで登り、八ツ峰キレット、五竜には行ったことがない。夏ですら八ツ峰キレット方面は恐ろしい雰囲気が漂っていた。
雪山ルートの写真を見ても高度感がある写真をみて行く前から不安だった。 おそらく、私1人そんな不安な気持ちでいたのではないか。雪山経験少ない、他メンバーはアルパイン経験あるが私はない。雪山のトラバースを歩いたことがない。(トラバースがメインであること、行ってから知ることになる(笑))その差は気持ちの上で大きい。そんな気持ちのまま合宿の日が近づいて行く。その前の週には山スキー春合宿C隊で五竜岳をながめ、minoさんがあの尖った尾根を登るんだよーと興奮しながら話しかけてくる。私の不安はさらに募っていった。
■日焼け対策
不幸か幸いか、3日間快晴だった。5月の紫外線が強く、さらに、標高が高く太陽に近い、雪の反射で強烈に紫外線を受けていたとおもう。毛糸の帽子しか持っていかず、navetakeさんからグレーの帽子を借りた。ありがとう。たすかりました。ファイントラックのバラクラバとサングラスと帽子。もはや自分が誰かも分からない状態で前に進んだ。navetakeさんはその姿を異常に気に入り、写真をところどころで撮っていた。確かにかっこ悪くはないが素直に喜べない。
■トラバースの恐怖
アルプス平からのスタートは私が先頭を切った。初日は西遠見山で幕営、体力があれば、五竜岳山荘まで行きたいとのことだったが、重たいザックも気にならず、あっという間に西遠見山までついた。雪壁を乗り越える場所から先頭を岳くんにかわり、私は4番手となった。雪崩や踏み抜きの恐怖、トラバースの際、斜面で倒れたら底まで落ちてしまうという不安、かつ登りで疲れがたまっていたせいか足が重たかった。足幅も広く大またで進むのは体力を消耗した。navetakeさんには、トラバースするときの悪い例のようだといわれた。ショックだったが、こうすることしかそのときの私にはできなかった。今回の合宿で、一番ここが恐怖だった。上りきった後のビールは最高においしかった。翌日から、本格的な残雪登山となる。五竜岳へ登る。他のパーティは5人でコンテニュアスをしていた。昨日怖い思いをしたせいか、今日は、怖さは半減していた。翌日はさらに半減していった。とにかくトラバースが多い。またか、またか、と思いながら、集中しながら、一歩ずつ進んでいった。最後の方は、慣れてきて、スピードが速くなっていたと思う。よくもまあ、大きなザックを背負ってのトラバースしたもんだなあと振り返る。
■無我夢中となること
トラバースで歩いている最中、みんながいろいろなアドバイスの声をかけてくれた。しかし、こっちは必死で急いでわたって!といわれてもいきなりスピードアップできる余裕はないし、こうしたほうがよいよ!という人のアドバイスを本気で受け入れられなかった。無我夢中になるということはそのようなことなのかと思った。それくらい自分の中で緊迫した状態だったとあとから思う。みんなごめんよ。本当は笑顔でOK~といって対応したかった。悔しい。
■雷鳥
3日目、八ツ峰キレットから鹿島槍ヶ岳に行く途中に、雷鳥カップルにたくさんあった。人を怖がらない。白い雷鳥を見てみたかったので、願いがかない感動だった。雄のまぶたととさかが真紅で雪の中では非常に映えてきれいだった。冷池小屋から爺ヶ岳までのあいだも、ハエマツのあたりで雷鳥が夕焼けを見ていた。この時期にしか出会えないとおもった。
■おわりに
爺が岳についてから、南尾根を下り登山口までの距離が本当に長かった。活動時間も12時間をこえ、足もふらついている中で、夜道にヘッドライトをつけて雪解けの中をあるいていく。私は何でここにいるのだろうと問いが出てきるくらい疲労がたまっていた。木と雪の隙間に滑って落ちた。枝に頭をぶつけた。打ち所がヘッドライトのベルトだったため、流血せずに済んだ。これが私のヒヤリだった。下山途中にnoriさんからfumiさんってガッツがありますね。という不意打ちの言葉をうけ、反応して鼻水がたれた。みんな、一緒に登ってくれてありがとう。下山後2,3日は放心状態が続いたが、気持ちは復活し、またどこかにチャレンジしたい気持ちがどこからかわいてきた。

017年春合宿の感想   mino

天候に恵まれ、仲間に恵まれ、先行パーティー無しの為ルート探しにも恵まれた、充実の山行で入会2年目をスタートできた。豊かな残雪のため、縦走路には平凡に歩ける夏道もあれば、下降ルートらしき所が雪稜なのか雪庇なのか不明な場所もあり、確認のため離れた支尾根まで観察しに行き、雪庇ではなく雪稜であることを判別してから下降ルートの下部を覗き込みに偵察前進するといった順を踏んだ。この行動順序はエドワード・ウィンパーの名著“アルプス登攀記”を彷彿させるものがあり、偶然ではあるがあの名著の登場人物と同じく、一つ一つ謎を解き明かしながら踏破できたことは晴れがましくもあり誇らしくもあり感無量だ。(しかしながら勇猛なミシェル・クローのようにロープで確保されながら雪庇を切り崩して下降路を切り開いたり、シュルンドを飛び降りたりするのは御免蒙りたい。)

<落し物、忘れ物>
携帯電話を落として失くしてスマホデビュー(翌日、gakuさんが車内で発見してくれて届けて頂いた)
→ポケットのチャックは閉める
ザックを担いだ拍子にテントマットを谷底に落とした
→休憩の時にストラップを締め直す、緩んでも落とさない縛り方にする
捨て縄4mがない
→ザックの目立つところにぶら下げて存在確認する
縦走路に突然登場、並んで置いてある二つの持ち主のいないザック
→気味が悪いので近寄らず早々に立ち去る
<ヒヤリ、しまった>
一段上の休憩場所に強引に上がろうとしたらバランスを崩して落ちかけた
→無理な体勢での強引な動きはしない
歩きやすいバンド伝いに越えた岩の向こうは雪庇だったので引き返した
→気がついてよかった。前の人を辿る。
トラバースルートに張ったロープは斜めに真っ直ぐ、トレースは登ってから水平にくの字型
→あれ程ロープで下に引っ張られると分かっていたらロープ通りに斜めに真っ直ぐ歩けばよかった
整地したテントサイトにテントが納まらない
→テントの大きさを予め歩測しておく
ジャンボテントは天井の物干しロープが無かったかも
→次に使用する時に付けてください
首と腕と手と唇が日焼け
→首は日焼け止めを塗り忘れ、腕はウールのシャツを、手は手袋を紫外線が少し透過した模様、
唇保護用のUVリップクリームが販売されているのは知らなかった
車の運転で眠くなる
→ポップな音楽CDとミントキャンデーを持参する
<意思疎通、コミュニケーション>
2本(30mと50m)のロープを使用した懸垂下降での下降距離と架けかえ有無とロープの回収方法が
三人三様でなかなか伝わらない
→準備会で事前に示し合わせる
下にいる人にロープ端を投げ落として渡す時の「末端処理大丈夫?」の意味は?
→勢い余ってロープを丸ごと落として紛失しないようにするため「ロープを落として紛失しないよう
に末端を上に居る人のハーネスに結んで固定しておいて下さい」の意味だった。
水作りの目標量があいまい、雪を溶かして飲んでお腹不調の人が発生した
→翌日の行動分も含めると汗をかく季節なので、食事分+1.5リットル以上/人は必要だったかも
<良かった>
誰も弱音を吐かなかった
下山の判断が適切だった(6日の剣岳は吹雪で事故もあったらしい)
食事が美味しかった
スコップ2丁は適量だった
タクシーで扇沢から遠見スキー場まで直接移動できて時間節約と仮眠ができた
行きも帰りも運転手リレーができた
自分は行動中、待機中は寒くてもヤッケを着ないで我慢できた

以 上

2月会山行 南八ヶ岳

赤岳
ジョーゴ沢

日 2017年2月18日(土)〜19日(日)
メンバー
赤岳(文三郎道往復)sobeさん(SL)、yujiさん、minoさん
阿弥陀岳北稜 gakuさん(SL)、kobさん
ジョーゴ沢 navetake(CL)、morimaroさん、kawamasaさん、noriちゃん、

総勢9名少しムサ苦しい??面子で、南八ヶ岳に登ってまいりました。

1日目は、朝出で美濃戸〜行者小屋まで。
前夜の鉱泉日誌で林道の凍結情報が上がっていたので、大事をとってバス停駐車場に駐車。
9:00すぎ到着だったがすでに7〜8割ほど埋まってました。
林道入口にJ&Nというお洒落な感じのお店ができて、より楽しい雰囲気になってますね〜。
赤岳山荘まで1時間。赤岳山荘の駐車場もけっこう車で埋まってました・・・。

南沢の途中、南沢小滝でnoriちゃんにTRを張ってもらい遊んだ後、行者小屋へ。
いつものようにクライミングに夢中になってしまい、行者小屋に到着した時はすっかり日が暮れ、
先に幕営していてくれたsobeさんたちからは「おそい〜!」と、お叱りを受けました・・・。
いつもスミマセン。。。

南沢小滝

2日目は、赤岳、阿弥陀北稜、ジョーゴ沢の3隊に分かれて行動。
夜間、およそ5〜10cmほどの積雪がありましたが、3ルートとも行動に支障はなし。
好天で、展望は最高。空は八ヶ岳ブルー。
朝方稜線は雪煙を上げていたが、その後はまずまず小康状態でした。

文三郎道は、阿弥陀との分岐に出た箇所で強風にあおられたそうだが、それ以外は特に問題がなかったそうです。

バリエーション日和で、北稜は4パーティー待ち。(1時間待ちで、寒さに耐えられず撤退したくなったらしい。)ジョーゴ沢も7〜8パーティー、20人くらいは入っていて賑わっていました。
前夜の積雪のためか、裏同心へのトレースは見当たりませんでした・・・む〜ん。

とにもかくにも、全員無事の下山、感謝であります!

みなさま、ありがとうございました。
2月会山行
おつかれ山でした〜!!

三つ峠 金ヶ窪沢アイス

日 2017年2月12日(日)
メンバー かわマサさん、みのさん、のりさん、ナベタケ

次週の会山行の足慣らしで、三つ峠の金ヶ窪沢で遊んできました。大滝とそのひとつ下の堰堤で終日、時の経つのを忘れ、童心に帰り、氷と戯れております。新メンバーのりさん加入で、楽しみが広がりそうです!アイス

奥多摩つづら岩アイゼントレーニング

【日】2017年1月22日(日)
【山域】奥多摩つづら岩
【メンバー】こばさん、ガクさん、まささん、ミノさん、なべたけ(L)

暁初詣山行と新年会の翌日、一部のメンバー二日酔いと寝不足の中、つづら岩にアイゼントレーニングに行っております。
東面壁を終日貸切で、充実のトレーニングでした。最近、アイゼントレーニングは広沢寺が定番になっていましたが、つづら岩の方がアイゼントレーニングにはモアベターですね~。
終了点などに、キレイなハンガーボルトが整備されていたのは少し意外でした。
岩は硬くて安心感があるし、日が当たってポカポカだし、岩からの眺めはいいし、最高の1日でした〜!

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横岳~硫黄岳

期 日:2017年1月7日(土)
参加者:Lなべたけ、ガク

1月7日(土)
相模原(2:00)=美濃戸山荘駐車場(5:25)-赤岳鉱泉(7:10)-大同心沢-大同心基部(10:15)-小同心クラック取付(11:00)-横岳奥の院(15:20)-硫黄岳(16:10)-赤岳鉱泉(17:15)-美濃戸山荘駐車場(19:00)

ガクさん初めて、なべたけ3回目の小同心クラック。お天気終日心配なく、快適な登攀だった。ただ積雪が非常?異常?に少ない状況は前年から続いているようである。この日たまたま一緒に八ヶ岳に入ったガクさんの講習会仲間の方の話によると、年末年始はベルグラが発達しており阿弥陀北稜の1P目は登れなかったとのこと。もし同様な状況にあった場合、対応できるかと不安だったが、それも全くの杞憂だった。風も比較的穏やかで、八ヶ岳の突き刺さされるような寒さを多少は期待?していたので、残念なところもあったか・・・。

ガクさん1P目、3P目リード。なべたけは核心部のチムニー登攀を避けたわけではないが、チムニーに回り込まず1P目終了点のピナクル上部から直上している。

小同心
横岳から硫黄岳へ

ガクさん、チムニーは今度リードで登ってください。

(記 なべたけ)

冬合宿 八海山

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【行動記録】
期間:2016年12月30日(金)〜2017年1月1日(日)
メンバー:なべ岳(CL)、ガク(SL)、ふーみん、みのさん

12月30日(金) 曇り時々雪
前夜21:30、橋本駅集合。この日の午後、ざき山さんから肋骨骨折のため合宿に参加できなくなったと連絡があった。受傷は最終準備会の前だったようだ。準備会の時は元気で、合宿をとても楽しみにしていた様子だった。パッキングしたザックを背負った際に違和感が強かったようだ。本人がいちばん残念だろう。おー岳さん、しゅー君も参加予定だったが、12月に入ってから2人とも不参加になった。六日町に向かうメンバー4人を乗せたガクデリカ号は、少し心のこりも乗せていた。
群馬県に入り、雪が降り始める。30日にかけて冬型の気圧配置になる予報。関越トンネルを抜けると、大雪の様相だった。当初、八海山ロープウェイの駐車場まで入ることを考えていた。しかし駐車場で幕営だとかなり濡れることになりそうだ。できたら屋根のあるところで幕営したい。六日町IC近くのイオンモールの駐車場を物色する。おおお、広い軒下は幕営に快適そうだ。モール内のトイレも使える。早速テントを張ったが、警備員が巡回してきて、テントを撤収。ガクさんとふーみんはデリカ泊した。みのさんとなべ岳は、軒下やモール内のベンチで朝までやり過ごす。

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朝7:00頃、イオンを出発。終夜、駐車場は除雪車が動きまわっていた。雪は少し小降りになってきている。
8:00頃ロープウェイ駐車場着。切符売り場で、計画書を提出する。除雪作業で車を動かすかもしれないのでと説明され、デリカの鍵も渡す。本日までに登山届を出しているパーティーは他にはいないらしい。
ロープウェイでおよそ5分、山頂駅へ。駅から15mほどラッセルして登ると、尾根の登山道に出た。トレースはない。尾根からは、スキーヤーやスノーボーダーの姿が見える。
9:30、女人堂へ向けてラッセル開始。昨年の越後駒ヶ岳の時も積雪が少ないと言われていたが、今回はさらに少ない。女人堂までの積雪は、吹き溜まりで腰〜腹。概ね、膝上のラッセルだった。

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冬合宿初参加のふーみんはラッセルの経験がほとんどない。苦労している様子で一所懸命に歩を進める。池の峰の手前で、後ろから若い男女2人が追いついてきた。2人はスノーシューを履いていたので、無理せず先頭を譲るようになべ岳からふーみんに声をかけたが、もっとガンバりたかったようである。ふーみんは、ガッツのかたまりだ。暁入会2年目、登山歴はほぼ同じ。この2年間で100日近く山に入っている・・・。きっと彼女は山に取り憑かれてしまったのだろう。
みのさんは暁入会1年目、登山歴は長い。年末年始は、例年北岳に単独で過ごしてきた。アイアンマンでテルマエロマエなお方である。今回は、スノーシューで冬合宿初参戦されてきたが、思ったようなフットワークが得られていないようだ。特に傾斜が強くなると、戦力にならないようだった。スノーシューでもMSRのライトニングアッセントのように登りの性能も高いと言われているモデルもある。みのさんが持参したものは登りには強くはないようだった。ワカンと比べて総合的に取り回しの良いのはどちらなのだろうか?
池の峰12:30頃着。若い男女パーティーは、もともと日帰りで女人堂往復の予定らしかったが、池の峰の手前で、引き返したようだ。

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たっぷりと生クリームを盛り付けたような雪の世界に、4人でひとすじの道をつくっていく。
間違いやすそうな箇所に、標識棒と赤布を残置した。雪は安定しているようで、なだらかな尾根と谷のどこを歩いても良かった。先頭を歩く者は、荷を下ろして空身で雪と戯れる。ラッセルを交代しながらおもいおもいに歩を進めた。
女人堂方面はガスで隠れているが、視界は悪くなく、200m先くらいは見渡せた。地形図を良く見て、実際の地形と見比べることができたら、適切なルートファインディングの大きな材料になる。なべ岳が先頭の時、地形図に出ていた小さな尾根を見落としてしまい、少し大回りしてしまった。ルートファインディングはトレースがない雪山を歩く時、大きな楽しみだ。
地形図だけを頼りにルートを見つけて目的地にたどりつくことは、理にかなっていないような気がしている。地形図に表れない地形もあると思うし、何かプラスアルファなものがあるような気がしている。経験や勘だけではない、山とのつながり。自分を通しての、自分以外のメンバーを通しての、またメンバー同士の。(その意味で、なべ岳はメンバーにずいぶん助けられてる。)
4人で順調に進軍する。と、一瞬ガスが薄くなり、浅草岳手前の小高いピークに女人堂が見えた。
女人堂直下が1日目の核心になるだろうと、偵察山行を経て考えていた。しかし、実際は異なっていた。当初、核心と考えていたのは、トラバースの箇所だった。雪崩の可能性があるので、ルートファインディングを慎重にする必要があると想定した。トラバースの箇所から念のためロープを出したが、雪は安定していて雪崩のリスクは低いように感じられた。
問題は、その直後の最後の急登だった。なべ岳は、雪崩のリスクが低いのでロープなしでもと思ったが、ガクさんはロープがあったほうがいいという。ガクさんがトップでロープを伸ばす。なかなか足場が固まらず、苦労している。30mほど登ったところで傾斜がさらに強くなったのか、1mほどズリ落ちた。そのあとルート取りを変えた。じりじりと登っているのがロープを通しても感じられる。ビレイヤーのなべ岳と、待機するふーみんとみのさんは、次第に体温が下がるのを感じ、変な歌を歌ったり、夕食のメニューを連呼したりしてやり過ごす。
ガクさんからビレイ解除のコールがあり、ひと安心。みのさん、ふーみんがフリクションヒッチでロープをたどっていく。ふーみんも上部の傾斜が強くなった箇所で苦労した。自力だけでは登れなかったようで、ガクさんにロープで引き上げてもらったらしい。
最後になべ岳が登る。女人堂は目の前で、これで本日の行動終了。
女人堂周辺の積雪は、腿〜腰ほど。 本日は、我々4人で小屋を貸し切りだった。
ちなみに、この日の夕食はキムチ鍋!食当のふーみんが、バターを入れてくれてコクが増し、とても美味だった。やはりご飯が美味しいと、エネルギーが増す感じがする。
電波が入るので、スマホで明日の天気をヤマテンの予報と、予想天気図でチェックする。
新潟は高気圧に覆われているが気圧の谷の影響で、昼頃から雪の予報だ。朝までは晴れで安定している。未明から行動できれば、不動岳まで登れる可能性が高まるが、雪崩のリスクがある薬師岳は、明るくなってから斜面を確認したい・・・。
今回の冬合宿には、頼りになるもりまろさんもおー岳さんもいない。リーダー以下、経験が豊富で冬山で適切な判断ができるメンバー構成ではない。不動岳まで登るとしたら、天候、積雪状態、メンバーのコンディションなど、条件がしっかり揃わないと難しいだろうと考えていた。

12月31日(土) 曇りのち雪
4:00起床、6:00出発。まだ夜明け前で、闇の中をヘッ電をつけて行動開始。兎の足跡が、ルートファインディングのアドバイスをくれる。コンパスで進行方向を頻繁に確認してゆっくり登っていく。30分ほどで日の出の時間になり、明るくなる。
薬師岳の麓についたのは7:00前頃。頂上までの急登のルート取りを確認する。登山道は、斜面右よりの沢筋を渡って、右のスカイラインに向かう左岸の尾根についている。登山道は雪崩のリスクがあることをおー岳さんから言われていて、偵察時に確認していたが、斜面右よりの沢筋は、ゲレンデのような綺麗な雪面になっていて、雪崩地形なのは一目瞭然であった。積雪は安定しているようなので、沢を渡って左岸の尾根を登ることを選択できるかもしれない。しかし、右岸の尾根は頂上方面に伸びており、傾斜はそれほど急でなく大きな困難な箇所はないように見えたので、素直に右岸の尾根をルートに選ぶことができた。

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先頭を登るガクさんはサングラスを家に忘れてしまった。晴れることはなかったので問題ないかと思ったが、白い斜面では凹凸を読み取ることが難しかったようだ。それでも、尾根を忠実に辿り、8:50に薬師岳の頂上に抜けることができた。
薬師岳の頂上は、偵察時とは様相が大きく変わっていた。八ツ峰に向かって左側に大きな雪庇が形成されている。千本檜小屋がなぜかやけに近くに見える。
千本檜小屋に下りる急斜面の手前まで進んで、八ツ峰の様子を窺う。雲は低く垂れこんできており、八ツ峰の稜線は、雲にかかりぼんやりしている。
偵察時は薬師岳頂上まで登ったが、その先には進まなかった。相談して、とりあえず、千本檜小屋まで下りてみることにした。
小屋は、冬季は営業していないが、45周年記念山行で利用した部屋のドアは鍵がかかっておらず入ることができたので、そこで一息いれることにした。
天気は予報通り下り坂、明日以降の天気もはっきりしない。しかし、気圧配置は冬型ではなく悪くても吹雪になるようなことはなさそうだ。ガクさんとふーみんは不動岳への気持ちが強い様子だった。ここでビバークしてもと可能性を探っていた。ガクさんが不動岳方面を観察してきてくれたが、ガスっていてどのようにルートを取ればいいかも全くわからない。このコンディションで4人では登攀には相当の時間を要する・・・。
メンバー全員、それぞれに未練があったが、結局撤退する判断をした。
雪山の下山は、速い。未練があって、悩んでみたところで、あっという間に目標からは遠ざかっていく。女人堂で装備をまとめて、小屋の清掃をしてロープウェー山頂駅近くの遥拝堂避難小屋まで一気に下った(14:15)。降雪は、昼過ぎから次第に多くなっていた。
下山しても良かったが、やはり年越しは山でしたい!と、遥拝堂避難小屋に泊まらせてもらった。

navetake

往路の関越道で、交代して運転を始めたら雪が舞い始め、上毛高原のあたりから猛吹雪となり視界が悪くフォグランプが役に立つも、路面が冠雪して50km走行となる、慣れた車は高速走行で追い抜いていくが激突されるのは御免だ、上手に抜いてくれよと祈りながらの運転となり大変疲れた。
翌朝、スキー場に向かう途中の左カーブ出口で車がスピンして路肩の積雪に突っ込んでしまった、雪の中に立っている道路標識の鉄柱が車の左フェンダーにどんどん近づいてくるのを助手席から睨み付ける、あと30cmくらいで停止してくれた、念力と祈りが通じてよかった。4輪駆動モードにして脱出、雪道の運転習熟も雪山技術のひとつと覚える。
先行する登山者がいなかったので、たっぷりとラッセル訓練ができた。傾斜部のラッセル方法を習った、空身でトップを暫し勤めてから、荷物を取りに戻り、また登り返すことを全員で何度も繰り返した、登り返しは踏み固められたトレースを辿れるので荷物を背負っていてもとても楽に感じられた。またウサギの足跡や地形を見てのルート選びを堪能することができた。ウサギの足跡はなんとなく歩きやすそうな所に付いていることが多く、ルートに選ぶことがままあった。
リーダーの許可を得て初めてスノーシューを試した、スノーシューは一度踏み込むと再度沈み込むことはなく足元に安定感がある、一歩一歩が力強くなり歩幅を広げることができた。反面、傾斜がきつくなると滑りやすく、急登はつぼ足でこなした。急登対応は無理としても、もう少し傾斜に耐えられると一層便利なので、ブレード(爪)を追加してカスタマイズしようと思う。
女人堂の手前が意外な難所になっていた、ロープを付けたトップのガクさんがビレイ地点からは見えない雪壁で悪戦苦闘しているなか3人で寒さに凍えていた。次第に日が翳る中、気持ちが沈み込まないようにリーダーが配慮していろいろと話し掛けてくれた、時間もあり話題は多様だったが、夕飯の話題で俄然気分が盛り上がり、予定メニューのキムチ鍋への食欲アドレナリンのお陰で急傾斜の雪の壁を這い上がることが出来た。食欲をそそる献立は登山成功のスパイスかもしれない。
2日目は日の出前の暗い時間に小屋を出発した、ライトの明かりで先頭を進むリーダーの歩みに迷いはない、自分は前日の夕方に翌朝のルート確認をしていなかったため、雪の地形に自信が無く、前の人について行くのみ。幸い先頭交代の順番が来る前に夜が明けて視界が開けた。尾根筋を進み雪崩を避ける。
下見の時は薬師岳止まりだったが、急な斜面を下ってまた登り返して千本檜小屋まで行った、ガスが出てきてその先のトラバースルートは良く分からなかった、とても威圧的な手前の頂を巻いた裏側のコルから奥の頂の不動岳に取り付くらしいが、視界が限られルートと傾斜のイメージも無く、自分にはこの先の登攀は無理だと感じた。下見のときに千本檜小屋かその先まで偵察していたらもう少し具体的に考えることができたかもしれない。
真剣に山登りをすることができました、リーダーと皆さん有難う御座いました。

みのさん

■ はじめての冬合宿

山岳会に入って2年目の冬。1年目の冬合宿は初心者の自分が参加する事で行動範囲を制限してしまうのは申し訳なく、また自分自身が雪山の知見があまりにもなかったため、断念した。今年は11月の会山行の八ヶ岳の権現岳登頂ができたこと、寒さにも前より耐えられるようになり、今年は冬合宿に参加したい気持ちが高まってきた。

企画リーダの配慮もあり、参加させてもらえるようなになり年越しを山で過ごす事ができる幸せ感でいっぱいと通常の山行とは異なる合宿の厳しさへの不安の気持ち半分半分だった。が、今年は、寒さも例年より暖かく最終日はローブウェイ駅では雨で寒さや積雪によるラッセルの厳しさを味わわず、どちらかというと雪山経験不足、体力不足と登攀技術不足に直面する合宿だった。

■ 時計

ロープウェイを登った後、標高チェックを楽にできるよう、ザックに取り付けたところ、電池不足マークになり、ボタンを押すとリセットになるという、自分では対処できない状況になり、使い物にならなくなり、標高がわからないため、読図ができなくなるという悲惨な状況になった。時計の電池を換えるタイミングであるが、冬前に一度は換えた方がよいと思った。

■ 道(ラッセル)

11月の権現岳は、リードをガクくんやみのさんがおこなったため、何も道のないところを自分でルートを決めて進む事がなかった。積雪の上をどのように進むべきか、はじめは検討がつかなかった。次ふーみん、っていわれたときには、うーむ、、、と言う感じで、後ろにいたガクくんに確認しながら、進んだ。特に、女人堂から薬師岳の道のりは、やせた尾根や急傾斜を登ることが多く、夜明けになべ岳Lのあとをついていく時は、緊張した。日がでてくるとウサギの足跡を発見し、そのルートは野生の感というか彼らの領地であるため信頼性がありそうなので、その足跡をたどりながら進んでいった。

しかしながら、未だにどこが危ないか、雪崩のリスクがあるかは、わからない。雪の積もり方も風向きによって変わったりすると思われ、地形通りとは限らない。これからも日々修行していくほかない。

■ 登攀

今回のゴールは不動岳登攀であったが、私の技術不足により、薬師岳山頂までいければよいとの事をあとからきいた。それ以前に、女人堂の手前の急傾斜では、岳くんがリードでザイルを張ってくれたが、自分の足では登る事ができず、中間エイトで引っ張ってもらう事態になった。その日の反省会で、あれは絶対に登れる、わかんを外せば登れるなどメンバーからの意見をきき、非常に悔やまれ、寝る前のシュラフの中でイメージトレーニングしている自分がいた。時間をかけすぎてあせってしまい、あきらめてはいけない気持ちを捨ててしまった。しかし、冬山なので、どの程度までなら許されるか、自分自身で判断でるようになるには経験が必要だと思った。

そんな状況だったので、不動岳を登攀することは、難しいと判断されてしまったことは今の自分自身の実力不足では致仕方ない。もっと雪山にのぼって雪の性質やそれに対してどのように登ればよいかを経験していくほかない。

■ 一歩一歩

冬はアイゼン、ピッケル、わかん、防寒具など夏山に比べ荷物が重たくなるし、かさ張る。そのようなザックを背負いながら、目標地へ向かうのだが、一歩一歩あるいていくうちにゴールに近づいていく。当たり前の話だがそれを実感する合宿だった。あとからリーダーからザックが左に偏っていたビデオをみせられ、きちんと左右対称バランスよくパッキングできれば、少しはストレスは減ったかもしれないと思った。パッキングの重要性を改めて思い知らされる。

■ おわりに

初めての冬合宿、突然のザッキーのキャンセルもあり、荷物分担にアタフタしたが、目標である薬師岳まで行き、無事下山できた。これも、リーダー、サブリーダー、みのさんのおかげであるのかなと思う。みな、3年以上は雪山を経験している人ばかりの中で、甘えている私がいたのは、正直否めない。急登で岳くんがリードでなかなか進まない中、手足が冷たくなり、3人で歌ったり、気合いのかけ声をかけあってごまかしたりしたこと、精神的に強いみんなに助けられた山行でした。また、山に籠るという表現は今までピンとこなかったのですが、雪山にいると、風の音、雪の音、その影響によって何かが動く音しか聞こえない世界。そんな世界を感じられた合宿だった。

ぶんちゃん

■嬉しかったこと
・越後の雪山をまた経験できた。

・冬合宿の経験者がまた二人増えた。

・ウィンドスラブの雪質が初めて理解、体感できた。

■感謝すること
・女人堂手前の雪壁ルート工作に取り組ませて頂いた。

・薬師岳頂上直下の急傾斜のトップをさせて頂いた。

・薬師岳から千本檜小屋への下りは渡邉さんがいないと行けませんでした。
感謝であります。

・ふーみん/みのさんの食当、2日とも充実のお食事。
大変、美味でありました。ありがとうございました。

・八海山、バーボン、ジョニ赤、アルコール類のお裾分け、大変、美味しゅうございました。

■学んだこと
・厳しいポイントにアタック前は小腹を満たすべし。
→そうしないと判断力が落ちる。視野が狭くなる。
→女人堂前の雪壁でのルートファインディング能力が落ちて、
時間をかけてしまい、皆に寒い思いをさせてしまった。

・ルート工作に時間がかかっている場合は、状況を後続に伝えるべし。
→後続に余計な心配をかけてしまう。

・雪山においてはやはりサングラスが重要。
→今回普通の眼鏡で行ってしまい、雪面の凸凹が見えずルート取りに多少苦労した。

・合宿前は体力温存すべし。
二日前~三日前にゲレンデスキーに行ってしまい、体力を消耗。
29日夜気候が安定しており不動岳へルートを伸ばせるチャンスがあったのに、
それに対応できる程の活力を残しておけなかった。
メンバーの皆様、申し訳ありませんでした。

・八海山スキー場の林道ルートなら、千々和さんに頂いた山スキー+登山靴でなんとか下れるかも。

・わかんの着脱がまだ下手&遅い。精進すべし。

gaku88

越後 八海山下見山行

日 12月4日(土)〜5日(日)

メンバー ジャイアン、がく、ぶん、ざっきいー、鉄男、なべたけ(L)

年末年始の冬合宿に備えて、八海山の下見をしてきました。

ルートは、
3日 大崎口~女人堂~薬師岳~女人堂(泊)
4日 女人堂~大崎口

山麓の積雪は無し、1000mほどから積雪見られ、女人堂周辺は20cmほど。この時期の例年より少ないようです。

2日間、昼夜お天気に恵まれて、
雪のお山と広い宇宙をたくさん感じることができました。
冬合宿に向けて、いい山行になりました。