カテゴリー別アーカイブ: 活動記録

会員有志の活動記録です(全ての山行記録は活動報告をご確認ください)

会山行 谷川岳周辺

東尾根3
山域 谷川岳周辺(一の倉沢衝立岩中央稜、東尾根、馬蹄形縦走、天神尾根)
日程 2017年10月7日(土)〜8日(日)
メンバー
(一の倉沢衝立岩中央稜)岳(L)、みの
(東尾根)のり(SL)、わたゆき、ふみ、なべたけ(L)
(馬蹄形縦走)こば(L)、しょうご
(天神尾根)会長(L)、会長夫人、ちじい、  さつき、仰平
10月会山行は、毎年恒例の谷川周辺。お天道さまとのタイミングが合って、4パーティーに分かれてまずまず充実の山行になりました。

東尾根シンセンのコル付近 紅葉最高でした!
東尾根シンセンのコル付近
紅葉最高でした!

シンセンのコル近く

東尾根隊のメンバー
東尾根隊のメンバー

 

登攀終了してテールリッジを下山するみのさん
登攀終了してテールリッジを下山するみのさん

 

なにかカッコイイ岳さん
なにかカッコイイ岳さん

 

大渋滞天神尾根
大渋滞の天神尾根

 

不死身の中年、こばさん
不死身の中年!こばさん

みなさま、おつかれ山でした!!

夏合宿A隊 剱岳

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山域:立山 剱岳・本峰南壁A2稜登攀、八ツ峰主稜(撤退)
メンバー:なべ岳(L、記録)、岳(気象、写真)、みの(装備)、のり(気象、写真) ※食料各自、会計担当なし

8月10日(木)
愛甲石田=相模原(22:00)=扇沢(2:00)無料駐車場にて幕営

1か月前、剣のことは、全く考えていなかった。
ここ1〜2か月は、深い釜やゴルジュを持つ沢に入っては泳ぎ、急流で渡渉訓練を繰り返し、上ノ廊下への気持ちを高めていた。
しかし、漠然とした不安感は経験の少ない4人のなかでずっと流れていて、準備を重ねると同時に、いつ撤退しなければならないか思案している状態も感じていた。
上ノ廊下は、沢登りへ向かう者にとって憧れの響きがあって気持ちが高ぶるが、そんな人間の気持ちなど簡単に勢いよく生死の淵に流してしまうところなのではと考えていた。(事前の情報では、森麻呂さんたちが7年前に遡行した記録を最も参考にした。)
とにかく、遡行の可否は、水量と天気によることは間違いないと考えていた。事前の情報収集のために、奥黒部ヒュッテに電話をしてみると(室堂山荘につながった)、直前に4日間は好天でないと水量は落ち着かないとのこと。しかし、夏季4日間全く降雨がないというのは現実的でないので、直前の降水量の問題だろう。今年は、雪渓が多いので水量が多い可能性もある。例年8月上旬に入渓したパーティーはほぼ撤退しているか強行した場合は遭難している、お盆の時期も半分以上は戻ってきて、行ったパーティーはよく遭難するという記録もあった。
様々な情報があるが、結局現地に行って自分たちがどう感じるか、それにつきるのではとも考えていた。
合宿3日前。台風5号が西日本に停滞。黒部も影響を受けているようだった。(気象庁のアメダスは1時間毎の数値データで参考にしやすかった。立山芦峅を参照した。)少なくとも合宿2日前までは、降水量が多い状況で、それ以降合宿期間中にかけても降雨の予報が出ていた。現地で判断をしたい気持ちもあったが、貴重な合宿期間であり、遠路のため交通費も度返しすることはできない・・・上ノ廊下を断念して、最終準備会で話し合っていた剣への変更を決定した。
上ノ廊下残念無念・・・だったが、メンバーのテンションは逆に上がっているようだった!
岳さん、のりさんにとっては、初剣。みのさん、なべたけも久しぶりに目指すことになった。
ルートは、八ツ峰主稜縦走、本峰AII稜に決まり、リーダー以下メンバーの気持ちは、上ノ廊下の時より晴れているような感じがしたのは気のせいか。

合宿前夜、お盆の連休前日で圏央道が渋滞しており、回避して相模湖ICから中央道へ。途中、八ヶ岳の麓の富士見町に転居した岳さんをピックアップして、扇沢へ。
扇沢の無料市営第2駐車場は、満車に近かったが(扇沢駅に近い方の無料駐車場は、翌朝に開放されていた)、車の後ろにテントのスペースを空けて駐車することができた。

8月11日(金) 曇り時々晴れ
扇沢駐車場(7:10)=(トロリーバス)=黒部ダム(8:15)〜内蔵助谷出合(9:35)〜内蔵助平(12:15)〜ハシゴ谷乗越(14:15)〜真砂沢ロッジ(16:15)幕営

黒部ダム
黒部ダム

 

黒部川を内蔵助平へ向かう
黒部川を内蔵助平へ向かう

 

内蔵助平
内蔵助平

合宿初日は、真砂沢まで明るいうちに着ければいいので、ゆっくりスタート。道中もゆっくりペースで進む。概ね曇っていたが、展望は良く、黒部の懐に入ってきていることを実感することができた。ハシゴ谷乗越の後、八ツ峰へ伸びる岩稜の威容に圧倒される。空を覆い尽くすような存在感。こんな山に本当に登れるのだろうかと感じた。
夕刻、剣沢に降り立つ。人気はなく、崩壊した雪渓の巨大な割れ目から聞こえる沢の爆音のほかは静かだが、ここが黒部のメインストリートだ。
10分ほどで、真砂沢ロッジに到着。テン場は20〜30張ほどのテントで賑わっていた。
テントを設営、早速ビールを購入して、乾杯。ロッジで明日予定している八ツ峰主稜の情報収集をする。取り付きになる、I・II峰のコルへの雪渓は崩壊していて、通行困難。熊の岩から上部の右俣、左俣の雪渓も崩壊が進んでいるとのこと。全装備を担いで主稜を縦走〜熊の岩は早々に諦めていた。天気は、朝6:00〜9:00の間に降雨があり、その後は落ち着くとの予報。Ⅵ峰から上部の縦走〜真砂沢ロッジに戻る行程の可能性を話し合い、明日に備えた。

8月12日(土) 雨時々曇り
真砂沢ロッジ(6:30)〜長次郎出合〜長次郎谷〜八ツ峰Ⅴ・Ⅵのコル(10:00)〜
長次郎谷〜長次郎出合〜平蔵谷出合〜真砂沢ロッジ(13:00)幕営

4:00起床。6:30真砂沢を出発。すでに、多くのパーティーが行動を開始している雰囲気だった。夜間は、雨は降らなかったようだ。
長次郎谷の出合に着く前から、降雨が始まる。岳さんは、出発時からレインパンツを装着していた。長次郎谷の出合で、みのさんがワークマンで購入したという雨具(パンツ)をハーネスを外してから装着する。撥水力が抜群で、透湿性もそれなりにあり、ジャケットは鮮やかな赤色の配色でかっこよかった。上ノ廊下用に購入したらしい。のりさんとなべたけは、雨は9:00までとの予報を信じてレインパンツは履かず、雨が止めば服はすぐ乾くと思いながら行動を続けた。

剣沢から長次郎谷へ向かう
剣沢から長次郎谷へ向かう

長次郎谷は、熊の岩の至近まで特別な問題なく雪渓を登ることができたが、ところどころで雪渓が爆音とともに崩れ落ちていた。Ⅰ・Ⅱのコルへの雪渓は情報通り大きく崩壊しており、とても近づける状態ではなかった。熊の岩の上部、右俣、左俣を見渡せたが、どちらもクレバスが目立っていて、やはり通行にはかなり困難があるようだった。長次郎谷には、10パーティー以上入っているようだったが、コンディション不良で下山してくるパーティーも見られる。
10:00、Ⅴ・Ⅵのコルに到着。長次郎谷からコルへの雪渓は半分以上なくなっていて、ガレ場通しで登ることができた。
降雨は続いて、岩は濡れそぼっていた。先行の2人パーティーが、ロープを出してⅥ峰の下半部に取り付いていた。登山体系の記述によると、Ⅵ峰の登りは見た目よりやさしいとあるが・・・、このコンデションの中、たどるべきルートは見当たらない。もし、ロープを出して登るとすると、私たち4人では相当に時間がかかることもあり、撤退を決めた。

Ⅴ・Ⅵのコルへ
Ⅴ・Ⅵのコルへ

 

撤退!
撤退!

AⅡ稜に備えて、平蔵谷を偵察して真砂沢に戻った。平蔵谷は、長次郎と比べると、傾斜がやや強いようだったが、それほどではない。しかし、上部はガスに隠れて見渡せなかった。
真砂沢に戻ると、雨は上がり、青空が覗くようになった。午前中の天候で、多くのパーティーが予定を切り上げて戻ってきているようだった。
夕刻になって、私たちの前でⅥ峰に取り付いていた2人パーティーが無事に戻ってきた。岳さんが話に行くと、登らないで正解だと言われたとのこと・・・。
なべたけは、寝不足が影響しているのか調子が悪く、午後の大半をテントで寝て過ごした。
他のメンバーも明日に備えて、19:00には就寝。

8月13日(日) 晴れ
真砂沢ロッジ(5:05)〜平蔵谷出合(6:30)〜AⅡ稜取り付き(9:15)〜登攀開始
(10:55)〜剱岳山頂(14:50)〜池ノ谷乗越(?)〜剱岳山頂〜平蔵のコル〜平蔵谷〜真砂沢ロッジ(19:20)幕営

3:30起床。5:00すぎに真砂沢ロッジを出発。昨日は雨の中、少し陰鬱な気持ちで登った長次郎谷を横目に、平蔵谷の出合へ向かう。雲の向こうに青空が広がってきていた。

平蔵谷
平蔵谷

平蔵谷の出合から平蔵のコルまで、岩の神殿に囲まれた広大な白い廊下が伸びていた。出合に聳え立つ源次郎側の岩壁は、現実感がないにもほどがあった。あまりにも巨大で、コルまでの距離感がつかめない。雪渓の上には、おそらく源次郎側の岩壁からのものなのだろう、冷蔵庫大の巨石がゴロゴロしていた。いつ落ちてきたものなのか・・・。まさに岩と雪の殿堂。青空の配色と、日が昇り、光と影が際立っていくとさらに荘厳さ、美しさが増していく。滑落すれば、出合までノンストップのような平蔵谷の斜面。クレバスの横のスノーブリッジのようになっている箇所を通過した。一歩一歩緊張しながら登っていくが、自然の極致の美しさに囲まれ、一つ間違えれば死が待ち構えている瞬間にしっかりと生に踏みとどまっているこの時こそ、私たちが山に求めているものなのかもしれなかった。(ちょっと大げさ・・・?)
岳さんは、急しつらえのアイゼンがアプローチシューズにやや合わないため、前爪が靴の先端から少ししか出ていない状態で、前爪を利かすことがほとんどできない。
なべたけは、沢用の(ピック・石突きが付いている)ハンマーだけを持参したため、急斜面で心もとなく、のりさんにストックを借りて登った。
(岳さんちゃんとアドバイスできず、すみません・・・。雪渓を少し甘くみていました・・・。)
急の変更があり、少し準備不足は否めないが、補って余りある剣のロケーション!!

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AⅡ稜に数パーティーが取り付いているのが見える
AⅡ稜に数パーティーが取り付いているのが見える

1時間半ほど平蔵谷を登ると、雪渓の中央にインゼル状に岩が露出した箇所があり、そこで小休止。南壁が大分近づいており、ルートを判別するが、手がかりが登山体系のシンプルなルート図だけで、AⅡ稜がどこか判然としない。南壁に近づくと、いちばん右側の伸長なリッジに取り付いているパーティーが見えた。そのリッジから数100m平蔵のコルよりに他のパーティーの一団も見えてきた。山頂からほぼ真下に位置しているようで、そちらに私たちも向かった。先行パーティーに声をかけるとAⅡ稜であると教えてくれた。ルンゼからの落石に気をつけながら、取り付き近くの快適なテラスに移動する。長い順番待ちになりそうだったが、強い日差しだけが気になるだけで、なんにも不満はなかった。一応、隣のAⅠ稜の偵察に行ってみたが、雪渓に阻まれて取り付きまでいくのにも苦労しそうだった。
時間もたっぷりあり、不安は先行パーティーからの落石くらいだった。日が上がるにつれて雲が多くなってきたが、急激に悪くなりそうな様子はなかった。
岳さんのりさん、みのさんなべたけペアで、登攀開始。のりさんはすでにかなり充実している様子で、なにか輝いているようだった。1人アプローチシューズを履いて、1ピッチ目リードでスタートした。

小町さん、岳さんのりさんペアの後ろからリード
岳さんのりさんペアの後ろから、小町さんリード

 

岳さんロープをスカイラインへ伸ばす
岳さんロープをスカイラインへ伸ばす

だいたいⅢ級〜Ⅲ級(+)の岩稜帯を4〜5ピッチで登る。小町さんは、2ピッチ本チャン初リード。ルート上は、心許ない錆だらけのハーケンが無数に残置されていた。信頼性はほとんどないが、ロープを伸ばすのに苦労はなかった。カムを各パーティー2〜3サイズ持参したが、もう少し持ってくれば良かった。その後の山頂直下は、ガレ場を頂上に向かうが悪いところはほとんど無かった。
15:00前に山頂到着。AⅠ稜を上がってきたというパーティーと挨拶を交わした。IMG_20170813_145623_xlarge
北方稜線へは、この先危険、立ち入り禁止の看板、「✖️」マークが岩についていたりするが、稜線ははっきり見えているので注意をしながら、長次郎の頭を目指した。北方稜線を上がってくるパーティーも多い。八ツ峰を縦走してきたらしい老若男女に次々と出会った。長次郎谷の左俣から下降する算段だったが、結局、行く手をクレバスと装備不足の不安に阻まれてしまった。登り返しをして再度山頂を踏み、平蔵谷から下降した。
この日私たちが、真砂沢に戻ってきた最後のパーティーになっただろうか、なんとかビールを購入することができる時間に戻ってくることができた。
今日の成功を、握手を交わして分かち合った。

8月14日(月) 晴れ
真砂沢ロッジ(7:00)〜ハシゴ谷乗越〜内蔵助平〜内蔵助谷出合〜黒部ダム(14:30)=(トロリーバス)=扇沢=帰宅

ゆっくり起床、ゆっくり帰路に着いた。なべたけは、9年前は、八ツ峰Ⅵ峰の事故があり室堂経由で下山していたので、少し感慨があった。
内蔵助平で、沢に浸かって3日間の汗を流した。しかし、1分も浸かっていられないほどの沢の冷たさだった。上ノ廊下はどうなのだろう・・・と思いを馳せた。
14:30黒部ダムに到着。
トロリーバスの乗り場は、お盆の観光の人気でごった返していたが、エアコンで涼しく、天井のモニターで甲子園を見ながらで、苦にならなかった。30分ほどの待ち時間で、バスに乗り込めた。
薬師の湯でさっぱりして、信濃大町駅に移動。昭和軒は、大変混雑していたので、駅前の豚のさんぽというお店でラーメンをいただいた。店を出ると20人くらい並んでいたので、タイミングが良かった。
帰りの高速道路も、お盆の中日のためかほとんど渋滞はなく、途中、富士見町で岳さんが下車、残りの3人も順調に神奈川へ帰ってくることができた。

春合宿A隊 五竜岳〜鹿島槍〜爺ヶ岳

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山域:後立山 五竜岳〜鹿島槍ヶ岳〜爺ヶ岳 縦走
日程:5月3日(水)〜5月5日(金)
メンバー:navetake(L、記録)、gaku(気象、写真)、fumi(食料、会計)、 mino(装備)、nori(気象)

5月3日(水) 晴れ
白馬五竜アルプス平(9:00)〜小遠見山(11:00)〜大遠見山(12:30)〜
西遠見山(13:20)〜五竜山荘(14:30)幕営

前夜22:00橋本駅集合。gakuデリカ号に5人乗り込む。圏央道の渋滞情報があり、相模湖ICから中央道へ。安曇野で高速を下りて、白馬村へ向かう。幕営場所の予定だった白馬の道の駅は騒音が大きいらしく、C隊が使用した白馬村の無料駐車場に変更して幕営した。

朝6:00頃起床。各自軽い朝食をとって、gakuデリカ号で白馬五竜スキー場へ。
テレキャビンでアルプス平まで。アルプス平は、GW後半初日、スキーやスノボー、多くの登山者で賑わっていた。アルプス平は標高1515m。初夏の青空と白銀の色彩が眩しい。
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天気は、5日までは概ね良好のようで、5連休初日、だいぶ心持ちが軽い。
リフト終点駅まで徒歩10分ほど。五竜岳に向かう遠見尾根は、登山者が数珠繋ぎになっていた。
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右側の八方尾根を望みながら小遠見山までなだらかに登ると、北壁を正面にした鹿島槍の眺望が広がった。小遠見山から西遠見山まではおよそ2時間で標高250mを上がる緩やかな尾根で、各パーティーが思い思いに幕営地を決めてテントを張っている。
360℃の白銀と紺碧が続く中、プラスティックボトルに雪を入れて溶かしながら水分補給をして歩を進める。

西遠見山からコルへ下る手前でアイゼンを装着。ここまでfumiさんがトップで歩いたが、gakuさんと交代する。ピッケルを手にコルへ下りて白岳に取り付く。
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白岳の登りは、広大なカール地形の雪壁を右から左へ大きくカーブするように五竜山荘方面へトレースがつけられている。遠望していた時は、広大なカールに直接取りつくイメージは、雪崩のリスクを考えるとなく、リッジ上を進むと考えていた。しかし、近くまで来てみると雪は安定しているようで、リッジを進むより合理的なルートに感じられた。minoさんだけが、「う〜ん。あの雪壁をショートカットして登るのでしょうね〜」と遠くから予想していた。

fumiさんは、雪壁の上部まで登りコルへのトラバースに入ると、だんだん雪山入門の悪い見本のように、山側に張り付くように前進している。一歩踏み外せば沢の末端部まで1000mくらい滑り落ちそうな雪壁で、雪山経験の少ないfumiさんには自然なことだ。それでも、1歩1歩、確実に歩を進めていた。

白岳と五竜のコルにある五竜山荘に14:36到着。五竜山荘まで進むことができ、明日以降の厳しいルートを前に多少の余裕を感じられた。
テントの設営に手間取ったが(最初陣取ったテントサイトに、6〜7人用のジャンボが入りきらず、結局移動した)、コル上の雪面に張ることができた。テントの設営場所は、それぞれにこだわりがある。調整がうまくいかない時があるが、それだけ余裕があるからかもしれない。
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風はなくまだ寒さを感じなかったのでテントの外で乾杯!五竜山荘は営業しているが、幕営料金はナシでよいとのこと。ビールは購入させて頂いた。夕食は、fumiさんが仕込んでくれたペミカンの豚汁。美しい夕焼け。山の至福の時。20:00すぎに就寝した。

5月4日(木) 晴れ
五竜山荘(5:45)〜五竜岳(7:15)〜八峰キレット小屋(17:40)

4:00起床。テントを撤収、5:31五竜山荘を後にする。gakuさん先頭で行動開始。
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風はほとんどなく、空は紺碧。五竜の山頂に向かうトレースは、しっかりとついていて、すでに山頂を往復してきた登山者と挨拶をする。最高の山々の景色に、みんなが幸せを感じているようだ。
1時間半ほどで五竜山頂。しばし、記念撮影。そしてここからいよいよ鹿島槍への縦走路へ。
昨日会った学生パーティーが鹿島槍へ縦走するとのことだったので、トレースがあるかと考えていたが、一晩たって消えてしまったのか、判然としない。五竜山頂直下は、パーティーによってはロープで下りる急斜面との事前情報があった。下降場所を見つける。gakuさんトップで、ロープを垂らしていく。急斜面だが、経験があればロープがなくても下りれそうだった。しかし、慎重を期した。
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その後は問題のない斜面が続いた。振り返ると、五竜山頂の南側の沢筋をスキーで直滑降してきているスキーヤーが見えた。ほとんど垂直のような沢筋を降りてきており、驚愕する。こちらから歓声をあげると、手を振って応えてくれた。
しばらくして(1時間弱くらいだったか?)切り立った尾根(G5を越えたところのやせ尾根?)にぶつかる。ここは懸垂が無難のようだったので、やや頼りなさげだったが懸垂には十分な、木の根っこを支点にして下降した。(木の根には、朽ち果てたスリングの残置があった。)
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鹿島槍への縦走路は、静かだった。風はほとんどなく、空は穏やか。メンバー5人のほかの登山者はいない。剣に遠くからずっと見守られているかのようだった。
北尾根ノ頭の手前で(?)、縦走路に登山者の人影が見えた。こちらへ向かってきているようである。「おおお!やった〜これでトレースが期待できる」と、minoさんが小踊りする。

その後、北尾根ノ頭だったか?3名パーティーに出会う。このパーティーはすでに進軍をやめて、幕営をすることにしたらしい。
口ノ沢のコルを越え、尾根の西側の斜面をトラバースしながら進む。40°ほどはありそうな雪面をトレースのあとを追って進んでいく。踏み外せば谷の末端まで自然落下しそうな箇所が続くが、気持ちを集中して通過していく。午後に入って、昨日もそうだったが、雪崩の音が時々山に響き渡る。積雪の安定性は低下してきている。トラバースの箇所は、お互いに声を掛け合って、状況に応じて間隔を置いて歩いた。キレット小屋に向けて、雪面のトラバース、登下降を繰り返しながら進む。
夕方になり、朝からずっとトップを歩いてきたgakuさんが、お腹の調子を悪そうにしている。雪を溶かしながら水分補給をしていたが、その影響かもしれなかった。navetakeに先頭を交代する。
八峰キレットと言うくらいで、何度も岩峰を回り込んだ。次のコルにキレット小屋があるかと、期待するがなかなか小屋は現れない。鹿島槍北峰が手が届きそうなくらいに近づく。やっと、小屋まで15分との小さい看板が現れた。小屋までの最後のトラバースの箇所で、やや斜度があり積雪がかなり腐ってきていたので、慎重を期してロープを出した。
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夕暮れ間近になって、小屋に無事到着した。夕焼けに染まった剣が、よく頑張ったと私たちを褒めてくれているようだった。しかし、もしトレースがなかったら明るいうちにたどり着けなかったかもしれない・・・。
小屋の周辺は、ジャンボテントを設営するにはギリギリのスペースしかなかったが、なんとか設営してテントに潜りこみ疲れを癒した。
なんやかんやで、22:00まえに就寝。

5月5日(金) 晴れ
キレット小屋(5:15)〜鹿島槍ヶ岳北峰・南峰のコル(11:00)〜鹿島槍ヶ岳南峰
(12:05)〜布引山(13:00)〜冷池山荘(14:00)〜爺ヶ岳南峰(16:50)〜爺ヶ岳南尾根〜柏原新道登山口(21:00)

3:00起床。やや寝不足気味だが、天候悪化の可能性があり、早めに行動を開始。
5:00すぎにキレット小屋を後にする。と、いきなりのはしご。いやでも目が覚める。さらに、切り立った岩峰を鎖を頼りに回り込んで進んでいく。積雪がある箇所とない箇所のミックスだが、早朝の雪が締まっている時間であり、歩きづらさは感じない。今日も朝から天気が良い。心地いい緊張感。昨日、少し調子を崩したgakuさんもトップで気持ちよさそうに登っている。
幅5mほどのギャップに15mほどの懸垂で下りた後、2ピッチロープを伸ばして登った。リードをする岳さんのクライミングは、精神的にも技術的にもとても安定して、楽しんでいるように見えた。
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その後も気の抜けない箇所が続く。休憩中にminoさんが、バランスを崩しかけて一瞬落ちるかと思った場面があり、かなりヒヤッとした。
最後の登り。鹿島槍北峰と南峰のコル、さらに南峰へ抜けていく。
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12:00すぎに鹿島槍南峰に到着。
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昨日までに比べると、雲がやや低くかかってきていたが、風はほとんどなく、強い日差しが照り続けるなか、爺ヶ岳に向かう。途中、冷池山荘で登攀用具を外す。
大きな難所はなく、爺ヶ岳南峰南尾根経由で下山する。
柏原新道に合流した後、登山口近くまで残雪があり、やはり最後まで気を抜くことができなかった。一番雪山の経験が少ないfumiさんだったが、合宿を通して、1歩1歩がより確実に、自信を持って歩けるようになっていたのが印象的だった。
登山口に下山したのは結局21:00・・・。非常に長く充実した合宿最終日になった。

(記 nvetake)

■感謝すること
minoさん:何気ない三日間通しての皆への気配り、ありがとうございま
す。
今後もお互いに切磋琢磨できればと思います。
どうぞよろしくお願い致します。

navetakeさん:リーダーとしての全体への心配り、ご苦労様でした。
現場、現場での判断、声がけ等助かりました。
またリード部分たくさんやらせて頂いてありがとうございまし
た。
大変楽しむことができました。
今後もご指導の程、どうぞよろしくお願い致します。

fumiさん:事前の食事準備お忙しい中ありがとうございました。
葛根湯も頂きありがとうございました。
fumiさんがいたことでチーム全体の雰囲気がとても明るくなり
ました。感謝であります。

noriさん:リスクに対する感覚が僕よりも鋭いので、良いブレーキとして
働いてくれました。
noriさんがいなかったら事故があったかもしれません。ありが
とうございました。
また他会からの知恵を伝授頂き、感謝です。
今後も色々とご教示頂けると幸いです。

メンバー全員:二日目の夜は早々にクタバッてしまい、水作り等皆にお願いしていたり、心配かけたり、申し訳ございませんでした。
これに懲りず今後も山行ご一緒頂けると幸いです。

お天道様:三日間良いお天気をありがとうございました。

お山様:今回も良い修行となりました。ありがとうございました。

■嬉しかったこと
・初めて雷鳥が見れた。
・後立山周辺の概要が把握できた。
・三日間無事に歩き通せた。
・お天気に恵まれ素晴らしい景色の中を歩けた。
・事故が起きなかった。
・お山に仲間と三日間籠もれたこと。

■学んだこと
・金曜準備、金曜出発だと荷物が厳選できず他メンバーより荷物が重くなってしまった。
前日には荷物の準備は終えておくべき。

・雪で水分補給を繰り返してたら腹下した。

・ザックカバーを使った荷物整理。

・食料/水分補給/休憩のタイミングは皆で揃えないとペースが乱れて疲労につながる。
自分だけリード終了後、食料/水分補給を済ましていたため皆の疲労に気づけなかった。
できればロープワーク中等待機時間は食料や水分補給を済ましていて欲しいが、そこの声がけも足りなかったように思う。

■ヒヤリハット報告
・八ツ峰キレットでのラペル終了後、早めに解除し、雪が腐っていたところに足を突っ込み、バランスを失い頭から滑落しかけた。
あそこで滑落したら命は無かった。絶対安全な場所が確認できるまではラペルを解除すべきではない。

・日が落ちた後、南尾根下山途中、雪が腐っていて、体全体が滑り落ちかけた。
隣の松の枝をとっさに掴んだので助かったが、あそこも滑落していたら長い距離になった。
危ない注意すべき場所だったのに、気が緩んでいたのかもしれない。
広い雪斜面に入ったら集中力のスイッチを切り替えるべし。

gaku

2017年 春合宿 A隊                  fumi
食当
2泊3日の夜ご飯はペミカンとアルファ米。事前に準備するとゴミの量が少ないこと、暖めればよいので手間がかからない、ガスの使用量が少なくて済んだところがよかった。がしかし、下山後ゴミ袋が破裂してペミカンの汁がザックの中で溢れていた。最終日であったのが救い。ゴミは下に入れるのではなく上に積む。もしくは一番下に入れる。
春の残雪期の登山
鹿島槍ヶ岳には、爺ヶ岳からのピストンで去年の6月に南峰まで登り、八ツ峰キレット、五竜には行ったことがない。夏ですら八ツ峰キレット方面は恐ろしい雰囲気が漂っていた。
雪山ルートの写真を見ても高度感がある写真をみて行く前から不安だった。 おそらく、私1人そんな不安な気持ちでいたのではないか。雪山経験少ない、他メンバーはアルパイン経験あるが私はない。雪山のトラバースを歩いたことがない。(トラバースがメインであること、行ってから知ることになる(笑))その差は気持ちの上で大きい。そんな気持ちのまま合宿の日が近づいて行く。その前の週には山スキー春合宿C隊で五竜岳をながめ、minoさんがあの尖った尾根を登るんだよーと興奮しながら話しかけてくる。私の不安はさらに募っていった。
■日焼け対策
不幸か幸いか、3日間快晴だった。5月の紫外線が強く、さらに、標高が高く太陽に近い、雪の反射で強烈に紫外線を受けていたとおもう。毛糸の帽子しか持っていかず、navetakeさんからグレーの帽子を借りた。ありがとう。たすかりました。ファイントラックのバラクラバとサングラスと帽子。もはや自分が誰かも分からない状態で前に進んだ。navetakeさんはその姿を異常に気に入り、写真をところどころで撮っていた。確かにかっこ悪くはないが素直に喜べない。
■トラバースの恐怖
アルプス平からのスタートは私が先頭を切った。初日は西遠見山で幕営、体力があれば、五竜岳山荘まで行きたいとのことだったが、重たいザックも気にならず、あっという間に西遠見山までついた。雪壁を乗り越える場所から先頭を岳くんにかわり、私は4番手となった。雪崩や踏み抜きの恐怖、トラバースの際、斜面で倒れたら底まで落ちてしまうという不安、かつ登りで疲れがたまっていたせいか足が重たかった。足幅も広く大またで進むのは体力を消耗した。navetakeさんには、トラバースするときの悪い例のようだといわれた。ショックだったが、こうすることしかそのときの私にはできなかった。今回の合宿で、一番ここが恐怖だった。上りきった後のビールは最高においしかった。翌日から、本格的な残雪登山となる。五竜岳へ登る。他のパーティは5人でコンテニュアスをしていた。昨日怖い思いをしたせいか、今日は、怖さは半減していた。翌日はさらに半減していった。とにかくトラバースが多い。またか、またか、と思いながら、集中しながら、一歩ずつ進んでいった。最後の方は、慣れてきて、スピードが速くなっていたと思う。よくもまあ、大きなザックを背負ってのトラバースしたもんだなあと振り返る。
■無我夢中となること
トラバースで歩いている最中、みんながいろいろなアドバイスの声をかけてくれた。しかし、こっちは必死で急いでわたって!といわれてもいきなりスピードアップできる余裕はないし、こうしたほうがよいよ!という人のアドバイスを本気で受け入れられなかった。無我夢中になるということはそのようなことなのかと思った。それくらい自分の中で緊迫した状態だったとあとから思う。みんなごめんよ。本当は笑顔でOK~といって対応したかった。悔しい。
■雷鳥
3日目、八ツ峰キレットから鹿島槍ヶ岳に行く途中に、雷鳥カップルにたくさんあった。人を怖がらない。白い雷鳥を見てみたかったので、願いがかない感動だった。雄のまぶたととさかが真紅で雪の中では非常に映えてきれいだった。冷池小屋から爺ヶ岳までのあいだも、ハエマツのあたりで雷鳥が夕焼けを見ていた。この時期にしか出会えないとおもった。
■おわりに
爺が岳についてから、南尾根を下り登山口までの距離が本当に長かった。活動時間も12時間をこえ、足もふらついている中で、夜道にヘッドライトをつけて雪解けの中をあるいていく。私は何でここにいるのだろうと問いが出てきるくらい疲労がたまっていた。木と雪の隙間に滑って落ちた。枝に頭をぶつけた。打ち所がヘッドライトのベルトだったため、流血せずに済んだ。これが私のヒヤリだった。下山途中にnoriさんからfumiさんってガッツがありますね。という不意打ちの言葉をうけ、反応して鼻水がたれた。みんな、一緒に登ってくれてありがとう。下山後2,3日は放心状態が続いたが、気持ちは復活し、またどこかにチャレンジしたい気持ちがどこからかわいてきた。

017年春合宿の感想   mino

天候に恵まれ、仲間に恵まれ、先行パーティー無しの為ルート探しにも恵まれた、充実の山行で入会2年目をスタートできた。豊かな残雪のため、縦走路には平凡に歩ける夏道もあれば、下降ルートらしき所が雪稜なのか雪庇なのか不明な場所もあり、確認のため離れた支尾根まで観察しに行き、雪庇ではなく雪稜であることを判別してから下降ルートの下部を覗き込みに偵察前進するといった順を踏んだ。この行動順序はエドワード・ウィンパーの名著“アルプス登攀記”を彷彿させるものがあり、偶然ではあるがあの名著の登場人物と同じく、一つ一つ謎を解き明かしながら踏破できたことは晴れがましくもあり誇らしくもあり感無量だ。(しかしながら勇猛なミシェル・クローのようにロープで確保されながら雪庇を切り崩して下降路を切り開いたり、シュルンドを飛び降りたりするのは御免蒙りたい。)

<落し物、忘れ物>
携帯電話を落として失くしてスマホデビュー(翌日、gakuさんが車内で発見してくれて届けて頂いた)
→ポケットのチャックは閉める
ザックを担いだ拍子にテントマットを谷底に落とした
→休憩の時にストラップを締め直す、緩んでも落とさない縛り方にする
捨て縄4mがない
→ザックの目立つところにぶら下げて存在確認する
縦走路に突然登場、並んで置いてある二つの持ち主のいないザック
→気味が悪いので近寄らず早々に立ち去る
<ヒヤリ、しまった>
一段上の休憩場所に強引に上がろうとしたらバランスを崩して落ちかけた
→無理な体勢での強引な動きはしない
歩きやすいバンド伝いに越えた岩の向こうは雪庇だったので引き返した
→気がついてよかった。前の人を辿る。
トラバースルートに張ったロープは斜めに真っ直ぐ、トレースは登ってから水平にくの字型
→あれ程ロープで下に引っ張られると分かっていたらロープ通りに斜めに真っ直ぐ歩けばよかった
整地したテントサイトにテントが納まらない
→テントの大きさを予め歩測しておく
ジャンボテントは天井の物干しロープが無かったかも
→次に使用する時に付けてください
首と腕と手と唇が日焼け
→首は日焼け止めを塗り忘れ、腕はウールのシャツを、手は手袋を紫外線が少し透過した模様、
唇保護用のUVリップクリームが販売されているのは知らなかった
車の運転で眠くなる
→ポップな音楽CDとミントキャンデーを持参する
<意思疎通、コミュニケーション>
2本(30mと50m)のロープを使用した懸垂下降での下降距離と架けかえ有無とロープの回収方法が
三人三様でなかなか伝わらない
→準備会で事前に示し合わせる
下にいる人にロープ端を投げ落として渡す時の「末端処理大丈夫?」の意味は?
→勢い余ってロープを丸ごと落として紛失しないようにするため「ロープを落として紛失しないよう
に末端を上に居る人のハーネスに結んで固定しておいて下さい」の意味だった。
水作りの目標量があいまい、雪を溶かして飲んでお腹不調の人が発生した
→翌日の行動分も含めると汗をかく季節なので、食事分+1.5リットル以上/人は必要だったかも
<良かった>
誰も弱音を吐かなかった
下山の判断が適切だった(6日の剣岳は吹雪で事故もあったらしい)
食事が美味しかった
スコップ2丁は適量だった
タクシーで扇沢から遠見スキー場まで直接移動できて時間節約と仮眠ができた
行きも帰りも運転手リレーができた
自分は行動中、待機中は寒くてもヤッケを着ないで我慢できた

以 上

鹿島槍ヶ岳(東尾根)(山スキー)

【日時】4月15日(土)
【天候】晴れ
【メンバー】レー子(L)、ヨッシー(L)、みのさん、フー子
【行程】
白馬栂池スキー場ゴンドラ乗り場(8:00)→鹿島槍ヶ岳東尾根とりつき 大谷原 大冷橋(10:30)→ 東尾根途中(12:00)折返し→大谷原 大冷橋(13:00)

 

【報告】

今回の計画では、白馬乗鞍登頂でしたが、強風のためゴンドラ動かず。

ゴンドラ運転開始待ちの様子 レー子、よっしーは動かない場合の計画を検討。 みのさん、気合入れて準備運動。
栂池スキー場ゴンドラ運転開始待ちの様子
レー子、よっしーは動かない場合の計画を検討。みのさん、気合入れて準備運動。

天気予報からも、強風は予想されていたが、さらに小雨もだんだんひどくなってきた。

その日は強風のため、どのスキー場もリフトの運行が中止になっており、山のふもとで春合宿に向けてのフー子のための山スキー登り特訓をすることになった。

リーダーはレー子から、地元ヨッシーに変更。短時間でのこの二人の判断力、コミュニケーションのよさは今までの山行経験からきているもの、また、お互いに信頼しあえているなあと感じ、うらやましいなと思った。その日はいつくるのか。。。

ここからスタート。雪はなく、スキーを担ぐいつもお世話になっております。でいく。
ここからスタート。雪はなく、スキーを担いでいく。

山スキーは、2回目で、スキー板、靴、シールなどまだ地に足についていない状況でいきなり急斜面が私に向かってきた。

シールがはがれたり、バランス崩したりして転んでは起き、キックターンしながら、一心で登っていった。

みのさん、後ろからひよっこフー子が必死で追いかける。
みのさん、後ろからひよっこフー子が必死で追いかける。距離は縮まるどころか広がるばかり・・・

雨も次第に強くなり、あまり登っても今度は私が下山できなくなる可能性があり、↓ここで折返しを決定。

雨もひどくなり、ヨッシー、レー子が折返しを検討
雨もひどくなり、ヨッシー、レー子が折返しを検討

久しぶりのスキー、道が狭くてターンができず、横滑りで下る。。みんなはスイスイ~森の中に消えていく。。。

腰が引けておりれないっ!!
腰が引けておりれないっ!!

横滑りは、最後まで続き、山スキーよりゲレンデスキーでの練習の必要性をひしひしと感じた。。

こんなんで春合宿にいけるのか??そして、レー子から、『実力不足だから、春合宿はやめたほうがよいんじゃない?』といわれる心配もしながら・・・・少しずつ、下山した。

下山後は、笑顔。

下山後のショット!
下山後のショット!

雨の中、転んでは、全力で立ち上がりの繰り返しで、前髪は雨と汗がいっしょになって顔に降ってくる。修行だ・・・

レー子は、春合宿への参加の否定はせず、むしろ、春合宿には今回レー子がはいていたスキー板と靴を使ったほうがよいといってくれ、いっしょに参加できることになった。やさしい。。有難い。

ヨッシー、レー子いろいろ教えてありがとう。

みのさん、折返し地点でのみのさんのくしゃみ連発発作をみて、緊張感が伝わり、より怖くなったよー。

八ヶ岳 阿弥陀岳 南稜

【日時】2017年3月25日
【天候】晴れ
【メンバー】岳(L)、コバさん、みのさん
【行程】
25日 舟山十字路~立場岳~P1~P2~P3~阿弥陀岳~御小屋尾根~舟山十字路

【報告】
“行きはよいよい帰りは怖い”下山路には、特に登頂後の下山路にはどこの山でも魔物が棲んでいる。
阿弥陀岳から御小屋尾根への下り坂、樹林帯の手前でスリップし怪我をするアクシデントが発生してしまった。
応急処置もチームワークも大切だが、15時間を越える行動時間をこなして自力下山を果した受傷者の頑張りが圧巻だった。

自分は先週に引き続き2週連続で雪山バリエーションルートに参加させてもらえとても嬉しい。
前日にアイゼンとアックスをヤスリで尖らせ、雪壁に打ち込むイメージトレーニングをする。

岳デリカ号で早朝に相模原を出発し、舟山十字路に駐車し6:25行動開始する。
尾根の取り付きは急斜面なので早々にアイゼン装着しコバさん先導する。

立場岳を越えた先の小ピークで行動ルートを観察する。

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立場岳山頂の先で、阿弥陀岳南側の全容が姿を現した。

 

午前中のP1通過が確実なこと、また天候面と体力面にも懸念がないことからP1P2コルでの幕営を止める判断をし、ここで登攀装備を装着する。

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青ナギを越え、無名峰に向かう。

 

時々雪を踏み抜きながらP1、P2と進みP3基部を巻いて予定のガリーに到着する。
ここでロープを出して岳さんがリードする。
合図を受けて自分がプルージックでセカンドする、所々氷結したやや柔らかい雪の斜面でアックスがとても頼りになる、教えを思い出して息が上がらないようにペース配分する、半ばからコバさんも登りだす。

2ピッチ目も岳さんリードする、中間ビレイを取り、草付きに進みほぼロープ一杯まで登る、合図を受けて自分とコバさんも後に続く。
もう一登りして稜線に出てロープを仕舞い休憩する。

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P3を越えP4へ。

 

すぐそこに見える頂上目指して稜線を進む、雪の斜面を登り、現れた上昇バンドを辿ってジェードルとカンテを幾つか越え、再度雪の斜面を登って頂上に到着する、近くに見えたが40分程度所要した。

3人パーティーが休憩している、北稜ルートを登って来たそうだ、楽しげに盛り上がっている。

権現岳、赤岳、横岳に穏やかに見守られながら暫し休憩し下山開始する。
稜線を辿り鋭いナイフリッジを慎重に歩く。
その先は広い雪の斜面となり所々フィックスロープがある。

アクシデントが発生した場所は、先行者が尻セードでもしたのか滑り台状の溝になった雪面で、見るからに手強い。
1月に富士山5合目で受けた雪山講習を思い出し、踵のキックに力を込めて通過する。

ややして物音に振り返ると、コバさんが頭を下にして仰向けになってしまっている、曲げた左ひざの裏と靴のつま先が別々の立ち木にひっかかったており簡単には抜け出せない、膝の曲げ方にも無理があり膝周辺の靱帯損傷が案じられる、これは大変だ。
ザックを外せないとの事なので雪の斜面を登り返してウエストバンドのバックルを外す、ザックから腕を抜くとザックは滑り落ち岳さんがキャッチする。
コバさんの背中を押して起き上がってもらい、木にからまった足を抜いて普通に座りなおす。
左足より右足がヤバイ、痺れていると話す、見るとスパッツ越しに脛が曲がって見える。
岳さんも到着して応急処置を宣言する、指示事項は添木2本と三角巾での右脛固定と松葉杖の組立だ、急いで材料を探す、3段継ストックの2段目とスコップの延長シャフトを添木に選び三角巾2枚で固定する。
ストック2本の一方の先端をスノーリングに通して、グリップ部をスコップのグリップシャフトで繫いで三角形な松葉杖の形にして針金とバンドで各部を固定する。

応急処置が済み、救助を呼ぶか相談する。
20mくらい登り返せば立ち木も無くヘリコプターで吊り上げてもらえるかもしれない、反対に20mくらい下ると樹林帯なので救助を求めても自力で下山して下さいと指示されそうだ。
自分と岳さんは骨折を疑い救急治療を薦めるがコバさん嫌がり、ちょっと待てば歩けるようになると主張する。
暫くしてコバさん空身で下りを試みる、歩けるそうなので岳さん自力下山を判断する、会長に電話して一報をいれる。
コバさんのザックはそれ程重くないのでとりあえず右肩で背負い少し下るが不安定だ、岳さんが中身を出して2人のザックに詰め替えようと指示する、これは名案。

しぼんだザックをコバさんが背負ってしまう、無理して欲しくないがタフ振りを発揮する。
何度か休憩をとり、またガスで雪を溶かして飲み水確保したりして、ヘッドライトを頼りに5時間弱かけて舟山十字路に下山した。
コバさん靴を脱ぎ患部を見る、腫れてはいるが内出血はしていない模様でややほっとする、10時頃帰路に着き深夜に相模原に着く。

翌日は寒く平野部は雨、山間部は雪、強行軍だったが日帰りに計画変更して正解だった。
(みのさん記)

 

 

 

リーダーとしての反省点
・計画の時間配分。12時頃にテン場に着く時間配分のためその日のうちに行ける気になってしまう。
翌日早朝に動き出したかったためそうしたが、平日の疲れがある場合はもう少し遅い到着の計画でも良かったのかもしれない。

・後から思えば、日帰りで充分に行ける体力と技術は持っていたメンバーだった。
駐車場で先に入っているパーティーが少ないことがわかったのだから、荷物の軽い日帰り装備を選択してもよかった。
(※とはいえ南稜初体験、バリエーションリーダー2回目の自分にはその判断は中々できなかったように思う)

・頂上でも仕切りにテント泊したがっていたので、実はけっこう疲労困憊していたのかもしれない。
それを察せられなかった。

・P4の登りはロープを出すべきだったかもしれない。P3で時間がかかったため、時間短縮でロープを出さなかったことが疲労を増したか?

・初期判断で僕らも気が動転して脛に異常があると考えてしまった。実際は足首。最初の処置がそもそも違った。

・途中で痛いのは足首だと聞いて、足首固定を三角巾でしたつもりになっていたが、帰宅後、確かめてみたら結び方間違ってた。。。
こばさんゴメンナサイ。。。
(三角巾固定の意味なし。6月の救助訓練ではロープワークや救助法だけでなく三角巾の使い方も定期的に復習する必要を感じた。)

・木曜日に22時に帰宅するとこばさんが言っていたにも関わらず、その疲れを察することができず集合時間を午前3時半から変更しなかった。
もっと休養をとってから行った方が良かったのかもしれない。
(※とはいえ天気が夕方から悪くなるという予報だったためその判断も難しかったように思う。)

(岳記)

乗鞍 山スキー

【日時】4月2日
【天候】晴れ
【メンバー】レー子(L)、みのさん
【行程】
乗鞍スノーリゾート カモシカリフト終点(9:45)~肩の小屋(12:20~12:40)~駐車場(14:00)

【報告】
朝5時に相模原を出発し9時前にスキー場駐車場に到着、身支度してゲレンデに向かう。
痛ましい雪崩事故の報道が繰り返された1週間だった、勿論ビーコン、スコップ、ゾンデ棒の装備は忘れない。
晴れ女を自称するレー子さんの神通力は今日も健在で、青空をバックにした乗鞍の白い峰々が絵葉書のように並ぶ。

ゲレンデをリフト1本分滑って準備運動した後、リフトを3本乗り継いで歩行開始地点に到着する。
沢山のパーティーが登り支度をしている、スノボー組、スキー組、登山組、水分補給を促すガイドさんらしい声も聞こえてくる、大変にぎやかだ。

スキーにシールを貼ってレー子さんが先導する、いきなり急登だ。
樹林帯を幅15m位伐採した明瞭なコースを黙々と登る。
途中で休憩してまた登る、森林限界を越えた地点に看板が立ち、ここから先は視界が悪いと迷い易いと注意書きしてある。

緩やかな広い雪原を進むと左手に高天ヶ原、正面やや左に剣ヶ峰、右側に摩利支天岳のピークと幾筋もの稜線と沢筋がワイドに見える、驚いたことにスキーのシュプールや歩行者のトレースがあっちにもこっちにも付いており、行動する人の姿も見える、スノボー担いで登る人、下山する登山者、滑降する人、実に広大な遊び場だ。

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登ってきたパーティーはそれぞれの目的コースを目指して散らばっていく。
右手には2月に山スキーした十石山も顔を見せる。
気温はほぼ零度、やや風もあり小さく千切れた雲が次々に通過していくなか肩の小屋に到着、小屋の手前で昼食にする。

時間も押しているので剣ヶ峰は登らず、ここでシールを外してザックに仕舞い滑降準備する、師匠の○○さんは銀パラいち押しだったと語りながらレー子さん入念にワックス掛けする。

単独のボーダーが無造作に滑降していくのを目で追いかけて後に続く。
雪の表面がクラストしておりクラストを割りながら滑降するのでターンがしんどい。
このコースでのパウダースノー経験があるレー子さんはこのモナカ雪に大変ご不満だ。
一息つくたびにご不興の言葉を漏らしつつもすいすい滑っていく。

自分は強引なターンを試みたら両足ともにビンディング開放してしまい一回転する、遠心力で帽子とメガネが飛んでしまう。
スキーブーツの脛のバックルを少しきつく締めるとスキー板のコントロールが良くなる、先行者がクラストを粉砕してくれた場所を選んでターンするともう転ばない、次第にクラストも薄くなり調子が上がりスキーを楽しむ。
樹林帯まで下ると大勢の滑降により整地されているので楽に滑れる。

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登山者が急な斜面を選んで尻セードしている、ゴムの板を尻に敷いて滑る、スピード上昇してバランスを崩し絶叫をあげて転がり落ちていく、つい笑ってしまう。

やがてスキー場のゲレンデに出る、プレスされた雪面は滑りやすく程なくして駐車場の脇まで滑りつく。

道具を片付けると午後2時を少し回っている、温泉を浴びて3時前に帰路に着く。
渋滞に遭い8時前に相模原に到着する。

雪質に対する経験値を幾つか得、道具も馴染んできた、楽しく手応えのある一日だった。
晴れ女のレー子さん、次回も健在でお願いします。

3月会山行:谷川 雨ヶ立(雪洞訓練)

2017年3月4~5日
メンバー 山スキー隊:Lレー子、ガク、こばち
ワカン隊:SLちじー、なかはる、なかえつ、さと、ひろし、のり

3月4日(土)快晴
宝川温泉(10:55)-板幽橋(13:00)-940m付近・雪洞堀(13:30-16:30)

橋本駅6時20分集合、2台に分乗して宝川温泉に向う。
渋滞もあり宝川温泉を出発したのは11時近くなってしまった。

本日は9人分の雪洞を掘らなければならないため、13時には掘り始める予定で出発。
山スキー3人はスタートから板を履くが、ワカン隊はしばらくつぼ足で進む。

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昨年は異常な渇雪だったが、今年はほぼ例年並の積雪と思われ、しばらく歩いて全員ワカンを履いて進む。
今回初めてワカンを履くメンバーもおり、装着に多少手間取る。

林道を進み、トンネル手前で板、ワカンを外す。
例年通りトンネル内には氷筍が生長していた。

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板幽橋手前から林道を離れ、30分ほど登ったところで3m以上の積雪、何とか掘れそうな場所を見つけて作業開始。
9人寝られる雪洞をつくるのは難しいので、3人用のイグルーと6人用の雪洞を作ることとする。
6人用は作業効率のため、入口2ヶ所から掘り進めることとした。

初めは比較的やわらかい雪のため、例年より早く掘れるのではと思ったが、掘り進めるうちに堅い雪になり、ひろしさんのスコップが使用不能となる。

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それでも2ヶ所から掘り進めた雪洞はずれることなく貫通した。
「黒部の太陽」のような屈強なおじさんたちのがんばりで、なんとか日が傾く頃には9人の今宵の宿が完成した。

今回雪洞が始めてのメンバーもいたが、みんな雪遊びをする子供のように楽しそう。

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きっと病み付きになることだろう。

3月5日(日)快晴
雪洞(6:20)-稜線(8:30)-雨ヶ立山頂(スキー隊9:20、ワカン隊9:35-9:50)-11:10雪洞11:40-13:00宝川温泉

4時起床。外は薄っすらと降雪があったが、雪洞内は寒さを感じることなく快適に眠れた。
不要な装備を置いて5時30分出発の予定だったが、人数が多いと出発に手間取り、結局6時を大幅に過ぎてしまった。
特に積雪期は体を冷やさないためにも、早く出発する訓練も必要と思う。

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登りはやはりワカンより山スキー有利で先行するが、モナカ雪で帰りはどうなることやら・・・。
雪質が良ければ最高の急斜面を登り、雨ヶ立山頂から南東に派生する尾根上に出る。

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山頂にて。

約3時間の登りで山頂に立つ。雲ひとつなく、谷川から朝日、巻機、上越、尾瀬の山々までぐるりと眺めることができ、穏やかな天候に感謝。

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山頂からの展望を堪能した後、山スキー隊はみんなの注目をあびて滑降開始。

今回ガク君は登山靴で山スキーに来ており、登りは急斜面のキックターンも問題なくこなしていたが、滑りはやはり厳しい。

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はい、厳しかったです。 by 岳

 

雪質も上部はモナカでなかなか手強く、ガク君早々にスキーを断念してワカンに履きかえたようだ。
こばちさんも大きな体で豪快に転んでいる。

やはり3月の雪は一番難しい。
ひとりソリ隊のひろしさんが楽しかったかどうかは分からない。

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どうも楽しんでいたようです。

 

登りで尾根上に出たとき、帰りの下降点を見失わないように赤布をつけておいたが、それでも快適な斜面を選んで滑っているうちにワカンの登りのトレースを見失い、赤布を付けた地点より下まで滑ってしまった。
この辺りやや複雑な地形のため注意が必要。

だんだん気温が上がって雪は重くなり、湿雪用のワックスを塗って重雪のバーンに飛び込む。
尾根も狭まり、樹間も密になり、とうとうこばちさんも板を脱いでしまったようだ。

それでも約1時間でみんな雪洞に帰り着いた。
雪洞を撤収してひと滑りで林道だが、荷物が重くなり、転ばないように慎重に滑る。
林道に出てからの山スキー隊は快調に飛ばして真っ先に車に到着。

次々とワカン隊も笑顔で到着。

天候に恵まれて最高の春山と雪洞を楽しむことができました。願わくば来年はもう少し山スキーの人数が増え、技術も向上し、ワカン隊に負けないこと。

(記 レー子)

南アルプス 鋸岳~甲斐駒ケ岳 縦走

【日時】3月18日~20日
【天候】晴れ
【メンバー】なべたけ(L)、岳、みのさん
【行程】
18日 戸台駐車場~角兵衛沢の出会い~角兵衛沢のコル(幕営)
19日 角兵衛沢のコル~鋸岳(第一高点)~小ギャップ~大ギャップ~六合石室(幕営)
20日 六合石室~甲斐駒ケ岳~駒津峰~仙水峠~北沢峠~戸台駐車場

【報告】
当初の目的地は白馬岳方面だったが気象情報に気掛かりな点があったため南アルプスに目的地変更となった、深夜、なべたけ号で相模原を出発する。

途中で仮眠をとり戸台駐車場に到着。
30台程度の駐車車両と身支度している登山者の姿がある。
我々も身支度とトイレを済ませて7時に河原歩きを始める。

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堰堤を幾つか越え、休憩を挟み、2時間弱で角兵衛沢の出会に着く。
ここで渡渉し、水筒も満たす。
苔むした歴史感あふれるケルンを通過し、赤布に導かれて尾根に取り付く。
くねくねと迷い易い踏み跡を赤布と先行者の足跡を頼りに進む。
その後沢沿いを登って高度を上げ、大岩下の岩小屋を見送る。
岩小屋に向かうパーティーが見える。
傾斜がきつくなった雪面を、息を切らせ汗をたらしながら黙々と登る。

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スフィンクス岩を見送り、無心に登り続けると再度ガラ場が現れる、落石をださぬようにそっと歩いて通過する。

ヘトヘトになって角兵衛沢のコルに到着するとテントが1張り設営されている。
我々の前を行くパーティーはテント設営せずに頂上まで登りつめる様子、聞くと日帰りの予定だそうだ。
なべたけさんがコル手前にテント設営場所を選び、雪の斜面をピッケルで整地してテントを2張り設営。

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初日の疲れを癒すため早々に食事を済ませて明るい内に就寝する。

19日朝7時に行動開始する。
鋸岳(第一高点)を登り詰め、稜線を進むと小ギャップが現れる。

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鎖が張ってあるが時間が掛かりそうなので懸垂下降する。
対面の斜面を登り返すと20mくらい先に小さなピークが2つ並んで見える。
なべたけさんがフリーで通過すると指示するが、ピークの直登ルートもトラバースルートもどちらも雪の急斜面に見えたので、お願いしてロープを出してもらい岳さんにリードしてもらう。

小ピークの取り付きで後ろを振り返ると、追いついた2パーティーが順番待ちしている。
なべたけさんがフリーでしたらお先にどうぞと声をかけると猛者たちは追い抜いていく。
ただ雪の急斜面とその上の岩場は慎重に時間を掛けていた。

小ピークに登り、懸垂下降の準備をしていると先程抜いていった猛者たちが登り返して戻ってきた。
フリーではあとちょっと無理だったとのこと。
懸垂下降すると更に鎖が下に延びる夏ルートが見えてきた。

なべたけさんは雪崩と落石リスクを避けるため稜線ルートを偵察する。
岳さんと自分は待機するが場所が悪く時々石が落ちてくる。
拳骨大サイズもあり、ボスボスと体に当たる音がするので岳さんを見ると運悪くヒットしてしまっている。
岳さん恐怖と痛さに耐える。
後でヘルメットを見せてもらったら窪んでいた。
ヘルメットは命の防具だ、大事に至らなくて良かった。

稜線に上がり一休みする。
先程の小ピークがとても近くに見える。
この短い水平距離の移動を実現するために費やした登りと下り、落石の恐怖、そして偵察など様々な頑張りがあった。
満ち足りた気持ちで休憩する。

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稜線を漫歩していくと大勢の人が待機している、大ギャップだ。
暖かい陽だまりで懸垂下降の順番待ちをする、同じく待機している人と声を交わす、おっかない夏ルートに比べれば順番待ちがあっても明るい稜線ルートを辿れて幸せだ、と意見が一致した、皆の衆楽しんでいる。

大ギャップに下降してルンゼを暫し下ると細いガリーが有る。
なべたけさんが先程から観察している様子なので、ここを行きますかと声を掛けると、手持ちの確保器材では不足とのこと、そこまで詳細にルート読みしていたのかと驚く。

その先の斜面を登り返し、第二高点の頂上は見送って中ノ川乗越に下る。
巻いて登って引き返すように下るルートなので方角を勘違いし易い、SOBEさんの会報記録の通りだ。
中ノ川乗越では大勢が休憩している。
ここから下山する模様だ。

我々は先に進む。
登り返し、樹林帯を進み、三つ頭を通過して六合石室に至る。
小屋は小さく先行者もいて窮屈なので幕営する、傾斜が緩いので昨日より整地は簡単だ。

20日朝6時に行動開始し、甲斐駒ケ岳頂上から延びる尾根を登る。
雪稜や岩稜を時々左右に巻いて進む。
傾斜の立った場所の雪はアイゼンがキュツキュツと鳴るくらい良くしまっており申し分のない足場を提供してくれる。
ニセ山頂を通過すると頂上の祠が見える。
急坂が始まり上は青空しか見えなくなるが、登りきると頂上広場に出た。
劇的だ。
なべたけさん、岳さんとグータッチする。
雲ひとつ無く風も穏やか、縦走路を振り返る。
また仙丈、北岳、鳳凰三山は勿論、塩見岳の奥の千枚、悪沢と赤石岳までの展望に時間の経つのを忘れて見とれる。

 

 

 

 

 

 

 

駒津峰への下りは先頭を歩かせてもらった。
3連休最終日なので立派なトレースが付いている。
人影は無く出会ったのは1パーティーだけだった。

駒津峰で甲斐駒を振り返るとまた時を忘れてしまい、なべたけさんから先を促される。
仙水峠まで一気に下り、その先の仙水小屋の湧水で喉を潤す。

時間が押しているのでなべたけさん先頭で引っ張り、北沢峠、大平小屋、丹渓山荘を経由して最後は河原を小走りするようにして戸台駐車場に戻る。

長年憧れていたルート、楽しく充実した山行だった、がっちり握手する。

 

2月会山行 南八ヶ岳

赤岳
ジョーゴ沢

日 2017年2月18日(土)〜19日(日)
メンバー
赤岳(文三郎道往復)sobeさん(SL)、yujiさん、minoさん
阿弥陀岳北稜 gakuさん(SL)、kobさん
ジョーゴ沢 navetake(CL)、morimaroさん、kawamasaさん、noriちゃん、

総勢9名少しムサ苦しい??面子で、南八ヶ岳に登ってまいりました。

1日目は、朝出で美濃戸〜行者小屋まで。
前夜の鉱泉日誌で林道の凍結情報が上がっていたので、大事をとってバス停駐車場に駐車。
9:00すぎ到着だったがすでに7〜8割ほど埋まってました。
林道入口にJ&Nというお洒落な感じのお店ができて、より楽しい雰囲気になってますね〜。
赤岳山荘まで1時間。赤岳山荘の駐車場もけっこう車で埋まってました・・・。

南沢の途中、南沢小滝でnoriちゃんにTRを張ってもらい遊んだ後、行者小屋へ。
いつものようにクライミングに夢中になってしまい、行者小屋に到着した時はすっかり日が暮れ、
先に幕営していてくれたsobeさんたちからは「おそい〜!」と、お叱りを受けました・・・。
いつもスミマセン。。。

南沢小滝

2日目は、赤岳、阿弥陀北稜、ジョーゴ沢の3隊に分かれて行動。
夜間、およそ5〜10cmほどの積雪がありましたが、3ルートとも行動に支障はなし。
好天で、展望は最高。空は八ヶ岳ブルー。
朝方稜線は雪煙を上げていたが、その後はまずまず小康状態でした。

文三郎道は、阿弥陀との分岐に出た箇所で強風にあおられたそうだが、それ以外は特に問題がなかったそうです。

バリエーション日和で、北稜は4パーティー待ち。(1時間待ちで、寒さに耐えられず撤退したくなったらしい。)ジョーゴ沢も7〜8パーティー、20人くらいは入っていて賑わっていました。
前夜の積雪のためか、裏同心へのトレースは見当たりませんでした・・・む〜ん。

とにもかくにも、全員無事の下山、感謝であります!

みなさま、ありがとうございました。
2月会山行
おつかれ山でした〜!!

三つ峠 金ヶ窪沢アイス

日 2017年2月12日(日)
メンバー かわマサさん、みのさん、のりさん、ナベタケ

次週の会山行の足慣らしで、三つ峠の金ヶ窪沢で遊んできました。大滝とそのひとつ下の堰堤で終日、時の経つのを忘れ、童心に帰り、氷と戯れております。新メンバーのりさん加入で、楽しみが広がりそうです!アイス