カテゴリー別アーカイブ: 活動記録

会員有志の活動記録です(全ての山行記録は活動報告をご確認ください)

春山合宿B隊 蝶ヶ岳

期 日:2022年4月29日~5月1日
参加者:Lダイヤ、いずっこ

4月29日(土)雨
上高地(15:15)-徳沢テント場(17:00)

天気予報がよくないので早朝発の予定を変更し10時に相模原を出る。相模湖から中央道にのり松本で降りる、混雑はなかった。沢渡駐車場雨の中で身支度しバス乗り場へ、天気が悪く観光客は少ない。14:30発のバスに乗り上高地へ20数年ぶりである、雨が降っており気分はさえない。行くしかないと決意し出発、明神で休憩付近に多くのサルを見かけた。雨は降り続く見通しなので、徳沢で泊まることとしテント泊の手続きをすませる。すでに40張りほどあり適地を選ぶのに苦労する。雨の中でのテント設営でしっかり濡れてしまった、ストーブの有る休憩所で温まり着ているものも少しは乾いた(休憩所使用可に感謝)。横尾泊の予定を徳沢泊に変更したので、明日は横尾から蝶ケ岳へそして長塀尾根から徳沢へ変更とした。眠る前に雨は止んだようだ。

4月30日(日)快晴
徳沢(5:35)-横尾-稜線(10:30、蝶槍を往復)-蝶ケ岳小屋(11:55~12:50)-長塀尾根-徳沢テント場(16:30)

3時過ぎ寒くて目が覚める、満天の星である。朝食を済ませ日帰り装備で出発。

徳沢から明神岳

横尾へは迂回ルートで河原の方を進む、1時間ほどで横尾着10張り程テントがあった。これから稜線までの急登である、スパッツを着けて出発槍見平では振り返ると槍ヶ岳の雄姿が目に入った。

槍見平から槍ヶ岳

徐々に残雪が多くなり雪面も固くなってきたのでアイゼンを着けた。登山道は雪に埋もれており目印や踏み後を頼りに進んだ。急登が続きなかなかきつい、10時半横尾分岐の稜線に出る多くの登山者が休憩していた、快晴であり槍穂高をはじめよい眺めであった。雪のない稜線なのでアイゼンを外す。北アルプス・南アルプス・富士山・八ヶ岳・浅間山等々360度の展望を楽しみながらなだらかな稜線歩きである、蝶槍を往復し蝶ケ岳ヒュッテへと歩く。ヒュッテで長い時間ゆっくりした。

蝶ヶ岳ヒュッテから穂高の山並み

山頂で二人の記念撮影、眺めを惜しみつつ徳沢への下降ルート長塀尾根へ向かう。腐った雪面を滑るように下り長塀山を過ぎて徐々に急な下降となり、途中でアイゼンを着けることにした。母親と三才くらいの子が一緒のパ-ティ-と出会った、ここまで登って来たことも大したものだと思うが、これから先の登りも大変と気になった。だいぶ下り残雪が途切れ出しアイゼンを外す。久しぶりの長時間の行動に疲れも出て、急なくだりに徳沢はまだかまだかと思うようになってきてしまった。4時半徳沢着、テントは60張りを超えていただろうか。

5月1日(月)曇り
徳沢(7:05)-上高地(9:00)

時おり霧雨のようなすっきりしない空模様、様子を見ながらテント撤収。昨日の疲れが残っており筋肉痛もあり、ゆっくり歩を進める。時おり小雨であったが、雨具を着けずに上高地バスターミナルに着くことが出来た。バスで沢渡駐車場へ、帰る途中島々手前にあった「竜島温泉」に入りゆっくりした。帰りの中央道は渋滞であり、大月で降りて抜け道経由で相模原に帰った。
久しぶりの合宿参加、入山日と下山日は天気が良くなかったが中日は予報通りの快晴ですばらしい山行となり良かったです。また、いずっこの事前調査やコ-スタイム等の把握に感心しました。 

(記 ダイヤ)

春山合宿E隊 西穂高岳

期 日:2022年5月3日~4日
参加者:Lオヨシ、そうべぇ、ヒー、しげちゃん

5月3日(火)晴れ
鍋平登山者用駐車場(11:00)-西穂口(11:40)-西穂山荘(12:50)幕営

GW前半は天気が悪かったためか後半は人出も多く、高速道路は混雑していた。新穂高温泉の駐車場も例外なく、第一と無料はすでに満車であった。第二を案内されたが、鍋平登山者用駐車場に停めた。西穂山荘のテン場がいっぱいになっていないか、そればかりが気がかりだった。西穂口から山荘までの登山道にはまだまだ雪が積もっており、所々凍っていた。西穂山荘に到着するとテン場は半分近く埋まっていた。

にぎわう西穂山荘のテン場

独標まで偵察する予定だったが、独標以降も積雪混じりであることが、他の登山客の会話で確認できたので偵察はなし。翌日は雪がしまっている早朝5時より行動を開始することとし、早めに夕食を取って19時頃には就寝した。

5月4日(水)晴れ
西穂山荘(5:10)-独標(11峰)(6:15〜6:30)-ピラミッドピーク(8峰)(6:50)-チャンピオンピーク(4峰)(7:15)-西穂高岳(7:55~8:10)-西穂山荘(10:30~11:40)-西穂口(12:45)-鍋平登山者用駐車場(13:30)

準備を整えアイゼンを履いて行動開始。独標までは近いと思っていたが、意外と時間を要した。独標より先には既に3~4パーティーの姿が見えた。登山道の7割ほどが雪で覆われていた。ロープや登攀装備は持参、結果として使用する場面はなかったが、ミックスで歩きづらかったが、難易度としては夏山相当だったと思われる。厳冬期は雪庇がせり出し、登山道からも大きく外れるピラミッドピークまでの道のりも残雪期はさほど難しくはない。

ピラミッドピークに向かう

続くチャンピオンピークまでの道のりも同様である。2峰から山頂まではザレ場の急登になっており、先行パーティーは難儀していた。ほぼ想定コースタイムで山頂に到着。

振り返ると、後続パーティーがいくつも押し寄せていたので、足早に山荘へ戻る。近年、西穂高岳では滑落事故が多発しているが、特に下りでの気の緩みは非常に危険であると感じた。テン場は10時までに撤収せねばならなかったが、超過してしまったので急いで片付ける。西穂口までの登山道は緩くストックとアイゼンが欠かせない。慌ただしい下山となったが、メンバー全員が充実感を得たものになった。

(記 オヨシ)

春山合宿D隊 蝶ヶ岳

期 日:2022年5月1日~3日
参加者:Lなべたけ、わたゆき

5月1日(日)雨
沢渡大橋駐車場=(バス)=上高地バスターミナル-河童橋(10:30)-徳沢(13:00)-徳沢園キャンプ場(幕営)

天気は、前線の影響で終日降雨の予報。2日は高気圧がはりだして午前中は晴れるが、午後に強い寒気が入ってくるため、標高の高いところで悪化するとのこと(ヤマテンより)。沢渡に到着すると雨が強くなり始めた。駐車場の整理員の方から、明日からは天気が良いと声をかけられたので、午後からは悪くなるようだと応えると、「?」の様子だった。気象協会などの山の天気予報でも、終日晴れマークだったので、少し難しい予報なのかもしれない(予想天気図では高気圧に覆われる)。5月だが、森林限界を超える山域では真冬のコンディションになる可能性がある。ヤマテンに感謝!だった。徳沢まで雨がそぼ降り続けたが、ひどい降り方にはならなかった。夕刻には小雨になり、テントから出るのが楽になった。

5月2日(月)晴れのち雪
徳沢(4:15)-横尾(5:40)-横尾分岐(9:50)-蝶ヶ岳ヒュッテ-蝶ヶ岳山頂(10:50)-長塀尾根-徳沢(14:20)

当初の計画は2日目は蝶ヶ岳山頂で幕営だったが、天気の状況を考えて、アタック装備で登り(ツェルトも持参していた)、徳沢に戻る行程に変更。徳沢からメールで計画の変更を連絡した。 午前中は、晴天が確実な予報だったので、展望を期待していた。明け方に徳沢から梓川に出ると、新雪をまとった巨大な小惑星のような山が正面に現れた。

もうじき稜線に出る

前穂と北尾根を確認することができた。梓川の上流側は、快晴の明け方の空へ広がる梓川と山並みの眺めで、普段生活している同じ日本とはとても思えないスケールの風景だった。横尾からの登山道でも、槍見台から、霞がかった青空に映える槍ヶ岳を見ることができた。ゆっくり、順調に高度を上げることができた。2000m付近からは一面の雪景色になった。雪面はしっかり締まっており、アイゼン歩行で問題なくペース良く歩くことができた。横尾分岐まで登ると、青空と新雪の素晴らしい景色のなか、穂高の稜線の北側から雲が湧いてきているのが見えた。槍の穂先も雲に隠れて、少しずつ雲が迫ってきている様子だった。稜線に出ると、少し強めの風が吹き付けてきた。蝶ヶ岳ヒュッテの建物のかげで風をしのいで休憩した後、山頂へ。

向こうに山頂が見える

下山を始めると、雪が舞い始めた。下山ルートの長塀尾根は、名前通り少し長い尾根で、ゆったりと歩いた。展望はほとんどなかったので、登ってくると大変そうだったが、雪が溶けるとお花などを楽しめるようだ。

徳沢へ下山

ゆっくり順調に、徳沢へ無事に帰ってくることができた。徳沢でも次第に降雪が多くなり、夕刻には雪景色になった。

5月3日(火)晴れ
徳沢(5:30)-上高地(7:30)-バスターミナル=(バス)=沢渡大橋駐車場

朝早めに出発して上高地へ。3日から連休になり、天気も良さそうなので、上高地からの登山者とつぎつぎにすれ違った。色とりどりの登山スタイルで、風景だけでなく、登山者の様子を見るのも楽しかった。朝から快晴で、梓川の宝石ような青色の流れが、新緑と新雪の山並みと一緒に美しく映えていた。しばらく河原でのんびりして春の上高地を堪能した。

(記 なべたけ)

春山合宿C隊 弓折岳~双六岳

期 日:2022年4月29日~30日
参加者:Lヨッシー、ヒー

4月29日(金)曇りのち雨
新穂高温泉駐車場(10:40)-笠新道手前(12:55)幕営

道路渋滞のため予定より遅れて出発。すぐにA隊と別れ左俣林道に入る。林道に雪は殆ど無く、中崎橋の手前でスキーを履くがすぐに雪が途切れる。12時くらいから雨が降り始める。笠新道のすぐ手前の広場にテントを設営する。水は左俣谷から得られた。やや強い雨が夜半まで降り続き、朝方には霧雨になった。

4月30日(土)霧雨のち晴れ
幕営地(5:20)-ワサビ平小屋(5:35)-小池新道登山口(6:15)-秩父沢出合(7:20)-旧大ノマ乗越分岐(8:35)-2400m地点(10:25)-小池新道登山口(11:40)-幕営地(12:30)-新穂高温泉駐車場(14:35)

3時20分頃、奇声を発して通り過ぎる登山者がいた。笠新道に向かったらしい。外は霧雨で視界はない。熊鈴代わりの奇声なのか?テントを置いて出発。ワサビ平小屋でスキーを着ける。小池新道登山口までの間も雪が切れている所があったが、小池新道からは雪が途切れることはなかった。無駄な登りを避けるため、細いスノーブリッジを渡ったり少し藪っぽい夏道沿いを行ったり・・。秩父沢からはべったりと雪が付いており歩きやすい所を登る。

頑張って斜面を登る

天気も回復し、目指す弓折岳が見えてきた。大ノマ乗越を目指すと段々傾斜が強くなってきた。乗越が見えてきた辺りで30センチほどの落石がヒーさんめがけて落ちていく。10mくらい手前で方向が変わり事なきを得た。途中A隊と連絡が取れ、早めに下山するとのこと。下りにかかる時間や体調のことを考慮して2400mを最高到達点とする。

北アルプスの峰々

乗鞍岳から槍穂高岳の眺めを暫し堪能してから滑降開始。滑りやすい斜面だ。小池新道登山口まであっと言う間だった。幕営地に戻り一時間かけてテント撤収。ここからまた苦行が始まる。ゲートの先までオヨシが迎えに来てくれた。靴を持って貰う。助かる。ゲートまで車を上げて貰いさらに助かる。

(記 ヨッシー)

水無川 セドノ沢右俣

期 日:2022年4月17日
参加者:Lなべたけ、カワマサ

4月16日(土)曇り時々雨
戸沢(7:30)-水無川本谷-セドノ沢右俣-表尾根(11:00)-政次郎尾根-戸沢(12:30)

早朝、カワマサと合流してセドノ沢右俣を遡った。7年前くらいにセドノ沢左俣に、カワマサとやまけんと3人で遡行をしたことを思い出した。 右俣は10数年前に遡行した記憶がある。大滝の登攀リードさせてもらったが、それほど難しくなかった印象だ。

F1のルートを確認

F1は左のクラック沿いを登るが、残置が見当たらず…人気ルートなのにおかしいな、体勢もだいぶ良くない感じでどうしたものかと少し焦り始めたところ、凹角に残置ハーケンを発見してことなきを得た。F2は左岸側から取り付く。左岸壁には残置ハーケンが要所にあって、少しテクニカルな滝登りの練習といった感じになった。

カワマサが大滝をリード中

大滝は、流心左側の岩壁の岩登り、高さが35mとのこと。カワマサのロープが40mなので、念のため2ピッチで登ろうということになり、まずカワマサから登り始める。左側のクラック沿いのラインは、見た目は階段状 のようだったが、それほどやさしくはなさそうだった。いつもリズム良く登るカワマサだが、慎重なクライミングだった。テラスまで登り、そこからのルートどりは色々ありそうだが、左寄りの岩壁のラインを登った。残置は古いものが多かったようだ。やはり慎重なクライミングでロープを伸ばしていた。1時間ほど前から降り始めた雨はしとしと降り続け、岩はしっとりした感じになっていた。結局、岩壁の終了点まで1ピッチで登った。なべたけがフォローで登ると、カワマサは思いのほか快適ではなかった岩登りで苦笑いだった。そこからは、巻道沿いにフィックスが伸びていた。30mほど登ると、フィックスが終わり、尾根の向こう側に抜けれそうな感じだったが、もう少し巻けそうな様子だったので、落ち葉の掃き掃除を兼ねて登り詰めていった。やさしそうなところで岩場を抜けると、しっかりした踏み跡が見えた。

踏み跡は尾根上に伸びて、ずっと辿っていくと次第になだらかな地形になっていった。しばらく歩くと、登山道らしき踏み跡に飛び出た。恐らく(通行止になっている)書策新道ではないかということで、そのまま進み、表尾根に出た。小雨は続いて展望はまったくない天気だったが、表尾根には次々と登山者が登ってきていた。ベンチで休みながら腹をこしらえ、装備も緩めて少しゆっくりする。今後のお山のことについて話をしながら政次郎尾根から戸沢に下りた。

(記 なべたけ)

水無川本谷

期 日:2022年4月16日
参加者:なべたけ

4月16日(土)曇り
戸沢(11:30)-水無川本谷-塔ノ岳付近(14:45)-大倉尾根-天神尾根-戸沢(16:30)

午前中は天気の回復を待っていたのと、翌日も別の沢を遡行するために戸沢に泊まるつもりでいたことから、ゆっくりと遅めにスタートした。

F3手前の小滝
分岐にある看板

気温は高くはなく、ヒルに出遭うこともなく、快適に過ごせるコンディション。単独で多少緊張していたが、大きな問題はなく遡行できたように思う。

F8の大滝

大滝の巻き道は、フィックス沿いがだいぶ崩れていたので、すこしだけさらに巻いて沢に戻った。沢に戻る斜面がすこし急だったので、慎重に下りた。

詰めの尾根

本谷は3~4回ほど遡行しているが、いつも塔ノ岳にダイレクトに出ることができず。今日こそは!と詰めて行ったが、塔ノ岳直下はイバラの藪になっており、結局、回避して表尾根に飛び出た。

遅めのスタートだったので、花立の頭から南東尾根ではなく天神尾根で戸沢に下った。
のんびりと幕営の準備をして、ひとりでビールで乾杯。お山に囲まれて過ごす戸沢のキャンプサイトはいつになく静かで、幸せな気分だった。いつのまにか、月が明るくテントを照らして、すこし眩しく感じた。

(記 なべたけ)

四十八瀬川 小草平ノ沢

期 日:2022年3月27日
参加者:なべたけ

3月27日(日)晴れ
表丹沢県民の森(7:00)-小草平ノ沢-堀山の家(9:00)-表丹沢県民の森(10:00)

前日はメンバー3人で勘七ノ沢を遡行。そのまま表丹沢県民の森の駐車場に居残り車中泊し、翌日に単独で小草平ノ沢を遡行した。前日午後から雨が降り始めて予報では夜間強くなりそうな感じだったが、結局それほど強まることはなく、沢の水位の変化はほとんどなかった。

登りたくなる滝です

小草平ノ沢は10数年前にも単独で遡行した。その時の記憶は定かではないが、今回久しぶりに遡行して、多少荒れている印象を持った。材木が折り重なっている箇所があり、やや景観が損なわれているようだった。

荒れている滝

しかし、いくつも滝のクライミングを楽しむことができて、程なく表尾根に上がり下山も早いという、お手頃でありがたい沢だ。勘七を遡行後に小草平を下降するセットも良いのではないかと思う。

(記 なべたけ)

会山行 入笠山〜程久保山

期 日:2022年3月5日~6日
参加者:(山スキー)Lレー子、オヨシ、ヒー(スノーシュー・ワカン)ヨッシー、なべたけ、しげちゃん(日帰り)そうべぇ、いずっこ

3月5日(土)曇り後雪、強風
沢入登山口(8:30)-入笠湿原(10:00〜10:30)-御所平峠~旧スキー場上にてビーコントレ(10:30〜11:30)-入笠山山頂(11:50〜12:00)
【日帰り】御所平峠-入笠湿原往路下山)-沢入登山口(13:15)
【泊まり】首切清水-大阿原湿原(13:00〜13:30)-湿原入口周辺樹林帯(13:40)幕営

当初の計画は新潟の東谷山から日白山の予定だったが、週間予報はずっと悪く土曜日の午後は雨、その後暴風雪。直前になっても好転の気配なく、雪があって天気の比較的良いのは入笠山しかなかった。悩んだ末、前日になって入笠山からおまけで釜無山をプラスした計画に変更した。

いつもはゴンドラで楽々登るが、今回はトレーニングのため沢入登山口から登ることとする。しばらくは雪が途切れているためスキー隊は板を背負って夏道を登る。まもなく雪が繋がり板を履くが、つぼ足隊からは遅れる。山彦荘横のトイレ前で全員合流。それにしても手軽に雪山に登れるためか人が多い。

御所平峠からは踏み固められた夏道を避け、ワカン、スキーで旧スキー場を直に上がる。その先の樹林帯でビーコンの電波特性の理解と複数埋没の捜索練習を全員で行う。みんなもったいないことに自分の高価なビーコンの機能を十分理解していない。今後はリスク管理のためにもシーズン初めにビーコンのトレーニングを実施するのが良いと思う。また、スマートフォンがビーコンの電波に干渉するとのことで、実際に発信モードのビーコンとスマートフォンを重ねると、捜索モードで数メートルまで接近しないと電波を受信できないことが実際に確認できた。

ビーコン捜索、講習で得た知識や技術を共有

日帰り組の下山時間もあるので、1時間程度のトレーニングの後山頂を目指す。山頂に近づくにつれて非常に風が強くなる。いつもは穏やかでぐるぐるっと360度山が見える山頂だが、本日は強風と黄砂なのか黄色く霞んで山は全く見えない。

入笠山山頂で記念撮影!キマってる!?

長居は無用と、御所平峠に下山する日帰り組と分かれて首切清水に向かう。ほとんどの登山者は御所平峠への夏道を下るため、人は少ないが雪面はスノーシューなどのトレースで荒れており、スキー隊は泊りの重荷で板を取られないように慎重に下る。林道に出て大阿原湿原に向かう。湿原まで行く人は少ないがそれほど時間がかかるわけではないので、ちょっと足を延ばすだけで静かなスノーハイキングが楽しめそうだ。

大阿原湿原は当然のことながら強風が吹き荒れており、ヨッシーが幕営地の偵察に行き適地を見つけて戻って来た。いつも思うことだが、ヨッシーの幕営適地を探す能力は天性のものなのか、人間とは思えない…。

大阿原湿原から沢入駐車場に下る林道をわずかに進んだ樹林帯を幕営地とし各自テントを張るが、しげちゃんは退路を断ってテントを持ってこなかったため、イグルーに挑戦。残念ながら天井が塞げず、テントのグランドシートを借りて屋根として完成。一晩快適に過ごせたらしい。

イグルー作り、個性が出ます

夕方から雪が降り始め夜間も降り続いたが、樹林帯の中で風もなく静かな夜だった。

3月6日(日)晴れ後曇り
幕営地付近にて積雪断面観察・弱層テスト・救助トレ
(6:00〜8:00)-幕営地(8:30)-程久保山(9:30〜9:40)-幕営地(テント撤収)(9:55〜10:50)-林道下山-沢入登山口(11:25~12:10)

本日は昼頃から再び天候が崩れると思われ、まったくトレースのない釜無山往復には時間もかかりそうなので、幕営地付近でまずトレーニングをすることとした。積雪深90~100㎝、まず積雪断面を掘り出し、層の雪質、硬さの変化などを観察する。結合力の弱い「しもざらめ雪」も観察できた。弱層テストとしてコンプレッションテストと簡易的なハンドテストを練習、その後V字ローテーションで埋没者の掘出しを行い、低体温の要救助者への対応として隔離・保温・加温の原則を確認した。プラティパスを使っての体幹湯たんぽには反対の意見もでたが、北海道警ではこれにより低体温症の救助が革新的に進歩したといい、山岳医療救助機構でもこれを推奨しており、雪崩の捜索技術はもちろんだがファーストエイドの知識・技能のアップデートも必要だな、と思う。

コンプレッションテスト
要救助者への対応

トレーニングは繰り返し行うのが効果的だが、だんだんみんな飽きてきたようなので、テントをその場に残して、釜無山方面の行けるところまで行くことにした。ちょうどそこに沢入登山口から林道を登って来た山スキーの二人に出会った。今や人気のマナスル山荘のビーフシチューを予約してあるのだと言う。昨日はピラタスから登り蓼科山での山スキー講習に参加したがそうだが、荒天のため入笠に移動してきたとのこと。

我々はトレースのない林道をラッセルして進むが、山スキーやスノーシューに比べワカンは大変そうだ。しばらく進むと釜無山が遥か遠くに確認でき、みんなの心から山頂を目指す気持ちが消えた。それでも程久保山まで登ろうと、林道から切り開かれた斜面を登る。標識もない山かと思ったが、ピークには小さな「程久保山1977m」のプレートがあり、今回の最高峰だ。

程久保山のピークのプレート

林道までは快適な斜面を滑るが、林道から幕営地までは時々漕ぎながらの緩やかな滑りを楽しむ。
テント撤収後、朝登って来た二人からの情報では、林道は沢入駐車場まで雪が繋がっているとのことで、スキーに有利な林道を下山することとした。スキー隊到着から40分程度の遅れでスノーシュー、ワカン隊が到着。その頃には再び雪が舞い始めていた。

越後方面の積雪量にはおよばないが、ひと通りの雪崩トレーニングができ、入笠と思えない静かな雪山が楽しめて良かった。今回おまけで計画した釜無山まで行けなかったが、体力のあるうちに釜無山から白岩岳、鋸岳に行きたいなと帰宅後地図を眺めながら思った。

(記 レー子)

会山行 金ヶ窪沢

期 日:2022年1月30日
参加者:Lなべたけ、コバヤン、しげちゃん

1月30日(日)晴れ
三ツ峠登山口駐車場(7:15)-堰堤(8:30)-大滝(10:00~11:30)-駐車場(12:00)

駐車場で待ち合わせ、登山道から直ぐの金ヶ窪沢に入渓する。しばらく歩くと、遠目にも蒼く発達した氷に覆われた堰堤が見えた。堰堤の上部に回り、ちょうど良い木を支点にしてトップロープを張り、ひとり2本ずつ登る。

しげちゃん、初挑戦!

その後、さらに上の堰堤に向かい、なべたけがリードで登りトップロープを設置してそれぞれ楽しんだ。

なべたけのリード、スムーズな手さばき

堰堤は、だいたい5~6mほどの高さで、リードでスクリューを3本使用した。氷は結構発達しており、17cmのスクリューをしっかりねじ入れることができた。三ツ峠に限らず、今年はアイスの状態が近年になく良いようである。

さらに遡行すること15分ほどで大滝に到着。すでに2名のパーティーが取り付いており、さらに後続で2名が登りに来ていた。コバヤンがリードで20mほど登りトップロープを設置、しげちゃん、なべたけも1本ずつ登り終了とした。

コバヤンのリード、安定感があります

しげちゃんは初体験のアイスクライミングだったが、さすがの経験豊富さで安定感があり、まずまず楽しんでいた様子だった。大滝から30~40分ほどで駐車場へ下山した。

(記 なべたけ)

冬山合宿 仙丈ヶ岳

期 日:2021年12月29日~31日
参加者:Lオヨシ、なべたけ、わたゆき、やまけん、ヒー、しげちゃん

12月29日(水)晴れのち風雪
戸台河原駐車場(8:40)-丹渓山荘跡(13:15)-八丁坂ノ頭(14:30)-北沢峠(16:55)-長衛小屋(17:25)幕営

クリスマス辺りから冬型の気圧配置が強まり、年末年始は南アルプスでも厳しい寒さや降雪に見舞われる予報。出発前の最終確認では想定される事態を共有し、6人の団結力をさらに強めた。
4時過ぎに相模原を出発、渋滞に巻き込まれることなく戸台河原駐車場に到着。年末年始の北沢峠(長衛小屋)は賑わうとのことだったが、先に止まっていた車は5台程度だった。登山口に詰めている警官の方に計画書を提出して行動開始。暫く河原歩きが続くが、大きなザックを背負っての歩行はきつい。

渡渉できる場所を探す

途中、渡渉や堰堤越えを数回、熊ノ穴沢出合辺りから積雪が足元を覆うようになった。3時間程度と見ていた河原歩きは結果的に4時間半かかり、ようやく丹渓山荘跡(赤河原分岐)に辿り着く。いよいよ、ここから急登が始まる。1時間ほど黙々と登り続け八丁坂ノ頭で一休み、凍結箇所が目立ってきたのでアイゼンを装着して行動再開。徐々に雪深くなり、先頭は歩きづらさも増してきたためワカンを装着。各々のペースで歩いていたことも相まって、徐々に隊の間隔が広がり始める。大平山荘に着く頃には先頭と最後尾の差は20分程度になってしまった。北沢峠ですっかり日も暮れ、ヘッドライトを装着。風雪が舞い始め、疲労もピークに達し、長衛小屋までの道のりがとても長く感じた。広い幕営地にテントが6張、思い描いていた風景と違う。予定より3時間到着が遅くなったこと、16時からの気象通報が確認できなかったことやメンバーの体調を勘案し、翌朝の行動開始を遅らせて無理のない計画に見直すことにした。

12月30日(木)曇りのち風雪
幕営地(7:50)-四合目(11:25)-大滝ノ頭(12:15)-長衛小屋(13:50)幕営

夜中に何度か暴風が吹いたようだが、眠気の方がまさった。しっかり休養を取ったことでメンバーの体調は良好。事前に確認していた予報では夕方から荒天。仙丈ヶ岳の登頂は諦め手前の小仙丈ヶ岳を目指すこととした。また天候が荒れる前に幕営地へ戻るため、12時をもって引き返す計画に変更した。我々より先に登っているパーティーはおらず、僅かに残る数日前の薄いトレースを頼りにラッセルを強いられることになる。積雪の状況と各自の体力に合わせながら、6人で交代しながら進む。二合目までの急登では積雪は膝ほど、それより先は腰より上まで埋まりそうになる。なぜだか気持ちが躍る。

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久し振りのラッセル祭り

四合目を過ぎた辺りで山頂から下ってきたという学生2人とすれ違う。三峰川岳沢から縦走してきたそうで、昨晩は仙丈ヶ岳と小仙丈ヶ岳の間の稜線上で幕営したとのこと。時計が12時を回った頃、ようやく五合目の大滝ノ頭に到着。ラッセルで相当時間を費やしてしまった。ここから小仙丈ヶ岳までは往復で3時間以上要するため、大滝ノ頭で記念撮影をして幕営地に戻ることにした。

大滝ノ頭で記念撮影

あれだけ苦労したラッセルを忘れてしまうくらい、下りはとてもスムーズだった。久々の尻セードも楽しかった。天候は予報通りに崩れ始め、15時過ぎには吹雪き始めた。16時の気象通報によると、翌日は下山まで天気が持ちそうだったので計画変更はなし。少し早めに夕食を取り就寝した。

12月31日(金)風雪のち晴れ
幕営地(6:30)-八丁坂ノ頭(8:45)-丹渓山荘跡(9:40)-戸台河原駐車場(14:10)

暴風で夜中に何度も起こされ、若干寝不足を感じながらの起床。外に出てみるとテントの周りにもしっかり雪が積もっていた。

昨夜の吹雪きでまた雪が積もる

湿ったテントを撤収、まだ薄暗く吹雪く中を出発。自分たちが初日に付けたはずのトレースは完全に消えていたので、斜面に落ちないよう注意しながら進む。3時間あまりで丹渓山荘跡まで下る。そこに広がっていたのは、真っ白に染まった河原であった。

初日とは別世界の河原

初日と同じ場所とは思えないくらい様相が変わっていたが、小動物に出会えそう雰囲気でちょっとワクワクした。再び4時間半の河原歩きだが、積雪と凍結により多少なだらかで行きよりも歩きやすい。途中、6パーティーほどとすれ違う。甲斐駒、仙丈、鋸と、各地で新年を迎えるのであろう。
全員怪我もなく無事に下山。今回は天候に悩まされたが、久し振りに冬山を堪能できた。山行中の支え合いによってメンバーシップも強くなり、今後の会山行に向けて良い流れを作る合宿になった。

(記 オヨシ)