カテゴリー別アーカイブ: 活動記録

会員有志の活動記録です(全ての山行記録は活動報告をご確認ください)

ヤビツ峠〜蛭ヶ岳~焼山登山口

期 日:2019年5月5日(日)
参加者:そうべぇ

5月5日(日)
ヤビツ峠(8:30)-塔ノ岳(11:20~11:35)-丹沢山(12:18~12:25)-蛭ケ岳(13:33~13:40)-姫次(14:34~14:40)-焼山登山口バス停(16:28)
   
丹沢山塊は春から夏にかけて「ヤマビル」シーズンである。あの得体の知れない生き物は人知れず忍び寄り血を吸うのだ。考えただけでもゾッとする。私は嫌いである。「ヤマビル」が活発に活動するシーズン前に丹沢山塊はかたづけておきたかったのだが、活動真っ盛りのシーズンの山行となってしまった。
今回の山行の特徴は、「時間との勝負」。焼山登山口バス停の最終バスは16時38分。これを逃すと、タクシーに頼るかまたは歩いて三ケ木バスターミナルまで歩く事になる。これは何としても避けたい。このコースは1泊2日の山行が一般的であり、日帰りでの縦走、しかも制限時間がある事は非常にリスキーなのだ。マラソンならば制限時間に通過できなければランナー回収用のバスが来て、楽にゴールまでたどり着く事が出来るのだが、山ではそうはいかない。そのため制限時間を設け大倉尾根を下山するエスケープルートを用意した。制限時間は「丹沢山に12時00分」までと決めた。スタート地点となるヤビツ峠までは、秦野駅からバスで向かう。時刻表で調べると秦野駅7時44分発、ヤビツ峠には8時32分着。秦野駅ではたくさんの登山客が列をなしバスを待っていた。バスは次から次へとやってくる。「なぜ?」「そっかー!!」今はゴールデンウィーク中の春山シーズンなのだ。バスは臨時便がありしかも増発されていた。知っていればもう1時間早く行動できたのだが、あとの祭りである。
8時30分にヤビツ峠をスタートした。ゆっくりと急がず、抑え気味に歩き始めた。スタミナ切れが最大の敵。時間を気にして体が出来上がっていないうちに心拍数を上げてしまうと、血液中の乳酸値が高くなりバテの原因となってしまうからだ。そして水分補給。
ニノ塔、三ノ塔と順調に過ぎ、烏尾山あたりではフルモードとなっていた。煽りながらの山行をしているわけではないのだが、前を行く登山者たちが次々と道を譲ってくれる。飛ばしているなと思う登山者にもあっという間に追いつき、しばらくは後をついて登るも、そのうちに道を開けてくれた。いやらしい登山をしているなと少し反省した。塔ノ岳には11時20分に到着、少しの休憩を挟み出発した。

塔ノ岳

12時を過ぎてしまうが丹沢山まで1時間でいけたらそのまま行動を続けようと思った。12時18分に丹沢山に到着。蛭ケ岳までのアップダウンは絶望的な遠さに思えた。本当に行けるのだろうかと考えてしまう。疲れも出ていたが、躊躇せず先に進んだ。恐ろしいほどのアップダウンを繰り返し、蛭ケ岳が近づいてくる。その向こうには富士山。蛭ケ岳は近づいてくるが、富士山は近くには来ない。大きな山だとつくづく思う。

蛭ヶ岳

蛭ケ岳を13時33分に通過、姫次へと向かう。もうこのころからほとんど登山者には出会わなかった。姫次までの登山道は少々荒れているのかなと思った。それに比べ人気の塔ノ岳までのルートは幾つもあるが、ヤビツ峠からのコースや大倉尾根のコースは整備されていると思う。姫次には14時34分到着、少しの休憩を挟みすぐに出発した。ここからは緩やかな下りの連続となるので、かなり走れる。まだ走る体力は残っていたのでありがたかった。最終バスまで2時間を切っている。「走れるだけ走ろう」と思いスタートした。でも転んで怪我をしてもしょうがないので、「走れるところだけ走る」ようにした。    黍殻山を過ぎたところで外国人女性のハイカーに出会った。突然出会ったので驚いてしまった。大きなザックを背負い、この時間に一人で山に登っていたのである。話を聞くと、オーストラリアから遊びに来たようだ。東京から大阪までハイキングしながら旅をしているとのこと。1ヶ月前に東京につき、これから3ヶ月かけて大阪まで徒歩で向かうらしい。そして今日はビバークするとのことで、どこかビバーク地はないかと尋ねられた。一人用のテントは持っているとのこと。近くに黍殻避難小屋があることを教えた。日本ブームなんでしょうか、たくましいなと思った。避難小屋まで案内してあげたかったのだが、私は時間との勝負中であったので、少しの会話で別れた。なだらかな下りを走った。北斜面なので、陽が当たらないと薄暗く、慎重に走った。16時28分に無事に焼山登山口バス停前に到着した。バス到着10分前だった。

焼山登山口

体力的にも充実し、時間との戦いのためそれなりに緊張もあり、全てにおいて楽しい山行だった。

(記 そうべぇ)

霞沢岳~徳本峠~上高地

期 日:2019年5月3(金)~5月5日(日)
参加者:Lコバヤン、他1名(非会員)

5月3日(金)晴れ
上高地バスターミナル=太兵衛平(9:40)-西尾根2100m付近(14:10)
                 
9時40分登山開始、天候も良く気持ちの良いスタートでした。太兵衛平からのトレースは判りやすかったが、初端から急登でした。1900m付近に幕営適所があると聞いていたのですが、気が付けば2100m付近まで登ってしまったので引き返すのも勿体ないので辺りを見回すと2人テントなら張れそうな場所があり、幕営した。

5月4日(土)晴れ
西尾根2100m付近(5:30)-霞沢岳(7:00)-ジャンクションピーク(13:10)-1900m付近(17:30)

4時起床、朝食も早々に片付け5時30分に出発した。本日も昨日に引き続き晴天が続く。霞沢岳までは危険個所も無く補助ロープを使うことなく登りきることが出来た。

霞沢岳

山頂からの展望は素晴らしかったが、このあと通過するK2ピーク、K1ピークの雪庇が大きく張り出しており、2人で通過できるか不安を感じた。なるべく良い雪の状態で通過するため、先を急いだ。ジャンクションピークに差し掛かるところでルートミスをして1時間ほどロスをした。
何とか立て直して徳本峠小屋を目指したが、若干ルート左寄りに進んだ。藪漕ぎとザレた雪に格闘しつつ、懸垂下降を20回くらいイヤになるほど行った。一緒にいた相棒は経験が少ないので良い訓練になったと思う。気が付くと2140m付近にある徳本峠小屋を過ぎており、日もかなり傾いていたので適当な場所を探し、1900m付近で幕営した。あまり良い場所では無かったのでスコップで整地するのが非常に疲れ参った。

5月5日(日)晴れ
1900m付近(6:30)-明神分岐(7:20)=上高地バスターミナル(8:05)

前日の疲れもあり寝坊した。明神分岐で人が沢山いて昨日一昨日は誰にも会うことが無かったことに気づいた。

(記 コバヤン)

春山合宿C隊 白馬岳~白馬鑓温泉分岐

期 日:2019年5月4日(土)~5月5日(日)
参加者:<山スキー隊>CLレー子、みの、ヒー <ワカン隊>Lオヨシ、こ~平、おとっつあん

5月4日(土)快晴
猿倉(6:45)-白馬尻(7:40)-葱平(10:40)-2500m(12:10~12:50)-頂上宿舎(14:00~14:45)-白馬岳山頂(15:35~15:45)-頂上宿舎(16:40)

連休前半は天候が安定せず、当初の計画は3~4日で5日を予備日としていたが、3日はまだ寒気の影響があり、雷雨や強風の可能性があったため、出発を1日遅らせて、4~5日の予備日なしに急遽変更した。2年前の春山合宿に小日向山の山頂で突然吹雪かれ、テントに戻ってからも雷鳴に脅えたことは記憶に新しく、予備日を設けたことで、柔軟な対応が可能となった。
出発を1日遅らせたことで、前夜の集合時間も橋本駅22時から19時集合に変更でき、余裕を持っての出発となった。10連休で昼間は大渋滞だったようだが、夜は特に渋滞に巻き込まれることもなく、無事白馬に到着した。みそら野の駐車場で仮眠したが、例年になく駐車台数は多く、仮眠の穴場もだいぶ周知されたようだ。
天気予報は晴れのはずだったが、翌朝テントから顔を出すと、いちめん霧に包まれヤキモキさせられたが、駐車場は霧が溜まりやすい地形なのか、二股手前から突然霧が晴れて白馬の稜線が現れ安堵した。
今回は山スキー3人ワカン3人の混成チームで、本日は大雪渓を詰めて頂上宿舎で幕営の予定とし、6時45分出発。例年駐車場には登山指導の方たちがいるが、今年は連休も後半のためか、計画を聞かれることもなかった。ちょうど4週間前にヨッシー、みのさん、ヒーさん、レー子で金山沢を滑って猿倉に滑り降りているが、雪は大分減っている。馬尻には3号雪渓からのデブリが到達しており、右岸側を進む。右岸台地には数張りのテントがあり、白馬主稜を登っているパーティも見え、彼らのテントか、若しくは馬尻ベースでの山スキーヤーのものと思われる。

大雪渓のデブリ

2200mを超える辺りから傾斜は徐々にきつくなり、風もなく気温は上がり、テント泊の重荷が肩に食い込む。ここから山スキー隊はシール登行をあきらめつぼ足で登るが、暑さのせいか、慣れない板をザックに付けての急な登りのためか、この辺りからヒーさんが徐々に遅れ始める。2500m付近で頭痛の訴えがあり、薬を飲みゆっくり休憩する。

快晴のもとで休憩

14時村営頂上宿舎に着き、テントを設営する。テント場が一杯で良い場所を確保できないのではと心配していたが、小さなテントが1張りのみで、その後も3張り増えただけだった。空身で山頂に向かうが、白馬山荘の前には多くの登山者がくつろいでおり、大雪渓を登っていたほとんどの登山者が、小屋泊りか日帰りと思われる。稜線上はほとんど雪がなく、山スキーの兼用靴にはつらい歩きだ。山頂で50周年のための記念写真を撮りテントに戻る。

白馬岳山頂

途中明日滑る予定の清水谷左股を偵察するが、二股近くの谷が狭まっており、途中までの滑りと登り返しのトレースが確認できたのみで、上部は開けて快適な谷に見えるが、あまり滑られていないようだ。翌日の天候とヒーさんの体調で決めることとした。その夜は満天の星で風ひとつない静かな夜だった。

5月5日(日)快晴
幕営地(7:15)-杓子岳分岐(8:45ワカン隊山頂往復)-杓子沢コル(9:30~10:10)-白馬鑓ヶ岳(11:10)-鑓温泉分岐(11:40~12:00)-鑓温泉上(12:30~12:50)-湯ノ入沢(13:15)-小日向のコル(14:05~14:30)-猿倉(15:15)

テント撤収

5時起床、今日も快晴。ヒーさんの体調は回復したが、テント泊の装備を背負っての滑りと、暑い中での長い登り返し、その後も白馬鑓から湯ノ入沢まで滑らなければならず、今回清水谷滑走は見送ることとし、6人で稜線を進む。山スキー隊は板を背負っているためピッチが上がらず、杓子岳の山頂はワカン隊の3人に任せ、杓子沢のコルまで先に進む。

杓子岳に向かってGO!
杓子岳山頂

休憩中スノーボードを背負った単独者が通りかかり、朝4時30分に猿倉を出発し、鑓温泉に入って帰るとのこと。白馬には通いなれているようで、清水谷は毎年滑っており、きれいな斜面の続く良い沢で、比較的遅い時期まで滑れるとのこと。尾根を登り返す場合は雪が固いのでアイゼンを使用したほうが良いが、そのまま沢を詰めて杓子沢のコルに出て、杓子沢を途中まで滑り、樺平を超えて長走沢に入るのも良いとのアドバイスを受ける。但し、今年は3ヶ月前に鎖骨を折り、病み上がりの為、清水谷には入っておらず、今年の滑走情報は得られなかった。
杓子岳山頂を往復したワカン隊がこちらに向かう姿を確認し、山スキー隊は白馬鑓の山頂に向かう。山頂で合流し、記念写真を撮影。

白馬鑓ヶ岳にて これで白馬三山制覇!

山頂には先ほどのスノーボーダーのほかに、単独のスキーヤーがおり、白馬山荘に泊り、今朝清水谷を滑って登り返してきたとのこと。朝早いので雪はやや硬かったようだが、非常に良い斜面だったそうで、うらやましい限り。お二人は山頂から鑓温泉を目指して滑り込んで行ったが、荷物の重い我々には無理があるので、昨年と同様、稜線を少し下った鑓温泉への分岐まで移動し、そこでワカン隊と別れて滑走準備をする。

どこから滑り込もうか?

昨年に比べて雪は少ないが、適度に緩んで快適なザラメだ。途中右岸側からのデブリがあったが、昨年に比べ雪面はきれいで快適な滑りが続く。

カッコイイみのさん
快適な斜面

アッと言う間に鑓温泉を見下ろす場所まで滑り下りてワカン隊を待つこととするが、尻セードを駆使してあまり遅れることなく到着。

負けない尻セード隊

湯ノ入沢でシールを貼って、小日向のコルまで登り返す。コルから滑った斜面を眺めて大満足。

満足~小日向のコルから

コルからもワカン隊を時々待ちつつ猿倉の台地に滑り込む。長走沢上部は比較的新しい大きなデブリが発生していた。台地からはやや縦溝が気になるが、雪は緩んでいるので滑りに影響はない。一昨年、昨年ベースにした場所にはテントが1張り。あっという間に林道に出て、ほぼ予定通り3時15分に猿倉の駐車場に帰ることができた。
今回個人的な事情で計画が遅れ、また準備会にも参加できなかったため、山スキーとワカンとの混成隊での行動、装備計画等がギリギリまで不確定だったことは反省すべき点で申し訳なく思うが、6人と言う人数で、好天に恵まれ、50周年記念のルートの一部である白馬三山のピークを踏めたことに感謝したい。

(記 レー子)

高見石〜北横岳山頂駅

期 日:2019年5月1日(水)~5月2日(木) 
参加者:Lそうべぇ、メイメイ

50周年記念山行は、1月の初詣山行からスタートした。八ヶ岳エリアは2月の会山行で本沢温泉をベースとして硫黄岳から天狗岳が繋がっていた。3月の個人山行でも高見石小屋から天狗岳をつなぎ少しずつだが距離を稼いでいた。本格的な取り組みは暖かくなった4月から丹沢エリアを中心に南から北に北上する山行が続いていた。私たちは、八ヶ岳エリアでも比較的入りやすい麦草峠を起点に高見石小屋から北に少しでも距離を伸ばそうと雨池峠近辺までを計画。また、次の計画が立てやすくなるだろうと思い起点がロープウェイ山頂駅となるコースを選んだ。そして、この日は「令和元年」のスタートの日でもあった。

5月1日(水)曇り時々雨
白駒池駐車場(10:40)-白駒池(11:00)-高見石(11:40~12:25)-丸山山頂(12:50)-麦草峠(13:40)-白駒池駐車場(14:00)

令和元年スタート日でもあるこの日、残雪の八ヶ岳に向かった。例年になくこの時期までこんなに雪が残っているのは珍しいとのこと。天気は曇りから雨。残雪に雨は少々寒い。白駒池駐車場から白駒池、高見石、麦草峠の周回が今日の予定だ。観光シーズンでさぞ賑わっているだろうと思っていたのだが、駐車場は閑散としていた。白駒池には青苔荘と白駒荘の2つの山小屋があり、ここはハイキンググループで賑わっていた。しかし寒いし雨なので、なかなか小屋から出られないのだろうか、白駒池を散策している人はあまり見かけなかった。白駒荘から高見石までは登りとなる。アイゼンを付けることなく高見石に到着した。霧雨とガスのため展望は得られなかった。山行の目的がルートを繋ぐことなので、展望が得られなくとも達成感や充実感がある。高見石小屋で「令和」と記されているカップラーメンを食べた。途中のコンビニで購入したものだが、これも記念の一つと思い写真も一枚撮った。12時25分ごろ小屋前を出発。雨は止む気配はない。

丸山山頂

丸山山頂を経て麦草峠に到着した。麦草峠には麦草ヒュッテがある。

麦草峠

以前泊まったことがあるとメイメイは言うが、思い出せない。ここから白駒駐車場までは森の中を歩いていく。森林浴ができる散策コースなのだろう。この日は白駒駐車場にて車中泊。

5月2日(木)曇り時々晴れ
白駒池駐車場(7:10)=麦草峠(7:15~7:20)-茶臼山(8:35)-縞枯山(9:30)-雨池峠(9:55)-山頂駅(10:45)-五辻(11:40)-麦草峠(13:25)

早朝に車を麦草峠駐車場に移動させ、雨池峠を周回する。天気は回復に向かっているようだ。時折、青空が顔を出す。でも風が強く、寒さを感じる。歩き始めると汗ばむが止まると汗で濡れた体は余計に寒さを感じた。麦草峠の茶水池はほとんど雪で覆われていた。大石峠を経由し茶臼山に登った。

縞枯山山頂

縞枯山から雨池峠までの下りは念のためアイゼンを付け降った。雨池峠から雨池を経由して麦草峠に戻るルートも考えたが、次の計画が立てやすいように山頂駅へと回るルートをとった。雨池峠からすぐの縞枯山荘でコーヒーを飲みながら小屋番との山談義は楽しかった。縞枯山荘は昔泊まったことがある。それは覚えていた。やはり、4月に降った雪のために雪解けが例年になく遅れているとのこと。山頂駅前まで雪が残っていることは珍しいようだ。30分ほど小屋で暖を取り出発した。山頂駅前は別世界だ。今までは静かは山歩きを満喫できたが、山頂駅前は観光地であり、私たちの格好が場違いではないかと思われた。冷たそうな雨雲と真っ青な青空がはっきりと分かれている。茶臼山、縞枯山上空が分水嶺のように西と東で分かれ、西斜面は青空が広がっていた。山頂駅からは西側斜面を歩くので暖かくて気持ちが良い。五辻、出逢いの辻を経由して大石峠にでて麦草峠に到着した。出逢いの辻から大石峠まではグズグズの雪で足を取られ歩きづらい。メイメイも苦戦している。陽射しはあるが風が冷たく、凛とした山行だった。13時25分に麦草峠に戻った。

(記 そうべぇ)

春山合宿B隊 八方尾根

期 日:4月28日(日)~4月29日(月)
参加者:Lそうべぇ、ダイヤ、こま、かわまさ、りこ、おとっつあん

4月28日(日)雨のち吹雪
道の駅「白馬」(7:30)=八方P6駐車場(7:45)=八方山麓駅(8:00)=八方池山荘(8:40~9:10)-2600m付近(14:40~15:00)-2560m付近ビバーク(15:30)

暁は今年50周年記念の節目、元号も平成から令和に改元されGWも十日間の長期休みとなった。記念山行の一環として計画した春合宿は成功するであろうとの期待で、B隊は車を長野県白馬方面へと走らせた。天気予報は低気圧が近づいているため土曜日は崩れるが、日曜日は回復とのこと。高速を安曇野で降りたあたりから雨が降り始めた。昨年同様にみそら野交差点脇にある駐車場で仮眠をする予定だったが、雨の中でのテント設営は避けたかったので道の駅「白馬」の軒下を借りて仮眠した。
起床した時には雨は小雨であったが時折陽もさすので、天気の回復に期待した。7:30にスキー場の駐車場へと移動し、準備を整えた。8:00ゴンドラアダムは運行開始、昨年はこの山麓駅近くの駐車場はすでに満杯であったが、今年はかなりの空き状況だ。観光客は10連休の長期休みなので余裕を持った計画を立てているのかなと想像する。当然スキーヤーも少なく、ゴンドラリフトには待つことなくスムーズに乗ることができた。ゴンドラとリフトを乗り継ぎ八方池山荘前に到着、8:40だ。昨年より1時間ほど早く到着できた。昨年は快晴の中、合宿を終わることができたので、その成功体験から今年も楽しい山行が出来ることを期待した。今は悪天であるが必ず天気は回復すると信じた。八方池山荘では雨も雪に変わり、風も強いなと感じた。ガスがかかっているが北アルプスはかろうじて見ることができた。身支度を整えて出発。ここ数日は快晴、雨、雪を繰り返していたのか雪が安定していない。つぼ足では膝まで踏み抜くところがありワカンに履き替えるが、今度は木道が現れ、ワカンが木道の階段を嫌う。ワカンは数メートルしか役に立たなかった。第一ケルン、第二ケルンと高度を上げていくに従い、風、雪も強くなる。それでも天候の回復を信じて先に進む。台風並みの風に雪が激しさを増し、まるでブリザードの様だ。耐風姿勢を強いられることもあり、体が風に持っていかれそうだ。本当に天気は回復するのだろうか。風は一定の方向からではなく、あらゆる方向から私たちを襲う、ボクサーのパンチのように。登山者の数も昨年と比べると全く少ない。この嵐を予想していたのだろうか。八方尾根は白樺の木が少々立っているのみで、北アルプスの稜線から打ち下ろされる風から身を守る場所がない。休憩するも風に身をさらしながらの休憩であるため、休まらない。高度を上げるに従い尾根が痩せてくる。2500m付近からはほとんど人が一人ずつしか通過できないように雪の量も増している。トレースが雪ですぐに埋まってしまう。14:40頃2600m付近唐松岳頂上山荘手前の岩陵帯に出た。これを越えれば山荘だが、さてはて、どうやってこの岩場を通過すればいいのか悩む。雪が少なければ岩を巻くこともできるが、降り積もる雪の量が多く、表層雪崩を起こす危険があるので躊躇する。岩をそのまま通過するには中央のルートと右のルートの二つのルートがある。中央ルートは雪がべったりとつきホールドがあまりない。右ルートはホールドがそこそこにあるが右側が切れ落ちている。滑ると崖下に落ちてしまう。そして我々の装備にはザイルなどの登攀具がない。振り返るとよたにダイヤさんが手招きをして私を呼ぶ。メンバーの2人の体調がすぐれないとのことだ。何時間も強風や雪に身体をさらされ体温も奪われ、体調を崩してもおかしくない。15:00、もはやタイムアップである。岩場を超えることを諦め、少しでも風が来ない場所を探しビバークにすることを決めた。しかし、そんな場所がどこにあっただろうか。しっかりと風を避けられるような場所などなかった。岩場の手前50mほど下ったところに風が一瞬弱くなるところがあったことを覚えていた。そこまで戻りビバークにすることにしたが、すでにホワイトアウト状態であり、下山方向がわからない。目を凝らしガスが動いた時に下山方向を確認しビバーク地点に向かった。私たちの他にも2パーティが同じような行動をとってビバークした。風はおさまる気配などなく、より強くなっているように感じる。この場所でテント2張りは無理であるため、1張りに6人入ることにした。強風の中でのテント設営、しかも稜線上であるため慎重に準備するが、ポールを一本流してしまった。もう一つのテントポールを使う。また爆風のような風に襲われテントが飛んだ、と思ったがかわまさがテントの裾を掴みかろうじて飛ばされることを防いだ。テントはピッケルや張り綱で固定するが、設営場所は傾斜があるため張り綱が切れたら谷底に滑り落ちてしまうのではないかと不安を抱えた。心配であるがテントに入り暖をとった。寒さ、水分不足、シャリバテなどが原因なのか、震えが止まらない者、足がつる者が続出。卵スープを飲み、体を温めた。いつもならここから夕食の準備から楽しい夕食が始まるが、今回はその余裕がない。4、5人用のテントに6人のため、窮屈な格好で過ごすことになる。そして入り口付近が下がりはじめ、下がったところに人が引き寄せられまるで蟻地獄のようだ。風はまだ止まない。爆弾のような強風がテントを襲う。夜中の2時ごろに風の吹く間隔が長くなったことに気がつく。もう少しの辛抱だと思い夜が明けるのを待つ。眠ることができずに夜が明けた。テントの中にいても陽が昇ったことがわかった。結局、強風雪は17時間ほど吹き荒れていた。山の厳しさを教えられた一日だった。

4月29日(月)晴れ
ビバーク地(7:30)-八方池山荘前(10:00-10:15)=八方ゴンドラ山麓駅(10:40)= 駐車場(11:00)

早朝であれば雪も締まっているため、岩稜帯も岩を巻いて登ることはできるのだが、下山を決めた。

ビバーク地にて

快晴の中の下山は楽しい、昨日とは大違いでとても気持ちの良い雪山歩きだ。下るにつれて、登ってくる登山客とすれ違う。それはまるで砂糖にアリが隊列を組んで群がっているような光景に見えた。八方尾根は見晴らしが良い、唐松岳、五竜岳、富士山や八ヶ岳など素晴らしい眺めだ。高度を下げると爺が岳、鹿島槍が見えてきた。A隊は今頃どのあたりだろうかと思い、昨日の強風の影響はなかっただろうかと少しだけ心配した。八方池山荘前には10:00ちょうどに到着した。とにかく無事に下山できたことに感謝したい。あれだけの悪条件にも関わらず、メンバーの質の高さを頼もしくも思った。
帰路の車中ラジオ放送で、唐松岳に登山していた登山客が2500m付近で発見されたがその後死亡が確認されたと伝えていた。心よりご冥福をお祈りいたします。

(記 そうべぇ)

春山合宿A隊 爺ヶ岳(東尾根)~冷池

期 日:2019年4月27日(土)~4月29日(月)
参加者:Lみの、SLコバヤン、オヨシ、ヒー

4月27日(土)雪
鹿島駐車場(7:40)-ジャンクションピーク(12:10)-P3(13:40)-幕営地(14:00)

前夜コバヤン号がみのをピックアップしてオヨシ家に集合する、オヨシ家を22:40出発。順調に走行しザーザー降りの雨の中安曇野の道の駅松川に到着、先客がテント設営中のため、遠慮して車内泊を試みるも狭いのに音を上げ先客の隣にテント設営する、例の声を出す自動販売機は無く安眠する。
鹿島駐車場に他の車は無い、支度をしていると霧雨が雪に変わる。

天候を気にしながら登り始める

雪のない激坂を越え尾根に出ると次第に残雪が現れる。昨日の降雪のためトレースは消えているが順調に行程をこなして予定地点に到着、整地して幕営する。就寝中、強風が吹き始め零時頃収まる。

4月28日(日)晴れ
起床(3:30)雪かき等、幕営地発(7:25)-P2(9:00)-痩せた雪稜のキノコ通過(9:30~11:30)-P1(12:40)-爺ヶ岳(15:00)-冷池小屋(17:00) 

夜半テントの裾が雪に埋もれ寒くて目が覚めるが寝返りを打って対処する。起床して外に出るとあちこちに吹き溜まりができておりストック類がほぼ埋没しており除雪する、周囲をブロックで囲んで作ったトイレは新雪が一杯詰まり浴槽に変身している。

テントを撤収して出発の準備

新雪を踏んでP2を越えると痩せた雪稜を崖下から延びた立木に積もった軟雪のキノコが通せんぼしている難所に遭遇する。

キノコに立ち向かうコバヤン

吊り上げ用の支点と滑車(レボルバー)を用意、コバヤンが空身となりロープを付けて果敢にルート工作し、難儀の末これを通過する。通過後、軽装の後続2人パーティが抜いていく。

P1を目指して

しんどい斜面を登ってP1にたどり着く、新雪の積もった斜面を先程のパーティのトレースを辿って爺ヶ岳に至る。

爺ヶ岳山頂!

よく踏まれた縦走路を辿って冷池小屋に到着、水と飲み物を購入、ご機嫌で幕営する。

4月29日(月)晴れのち曇り
起床(5:30)冷池小屋発(7:25)-赤岩尾根ロープ下降(7:50~10:55)-高千穂平(12:30)-西俣出合(15:10)-大谷原駐車場(16:15)

モルゲンロート、鹿島槍ヶ岳がキレイ

天気が下り坂なので鹿島槍ヶ岳と五竜岳をあきらめエスケープルートの赤岩尾根で下山することにする。
尾根の稜線で下降の支度をする、他に中型ザックの2パーティが現れ、3パーティそれぞれのルートでスタイル3様の同時下降が始まる。1パーティはロープなしで1人ずつダブルアックス下降。もうひとパーティは、都度ロープ引き上げて1人ずつダブルアックス下降。

赤岩尾根を下る

我々はロープフィックスしてのプルージック通過を2ピッチ、立木を利用した懸垂2ピッチ、ヒーさんは追加で懸垂1ピッチして合計5ピッチ下降、3時間弱所要したため休憩して空腹を満たす。その後も緩んだ雪を踏み抜いたり足を滑らしたり、尻セード、高千穂平を過ぎてからクラックの入った斜面を懸垂したりと面白おかしく下降を続け西俣出合に到着する。

尻セードで追いかける

鹿島駐車場の車回収のため、オヨシは速足で林道を進み姿が見えなくなる。大谷原駐車場にドライブしている地元の老夫妻にコバヤンが話しかけて便乗させてもらいオヨシを追いかける。
30分程で車回収、荷物を詰め込み、途中、わっぱらの湯を利用して帰路に就く。

(記 みの)

島々~美ヶ原温泉

期 日:2019年4月26日(金)
参加者:コーノ

4月26日(金)雨のち晴れ
島々・安曇支所前-松本市-美ヶ原温泉

前日は、道の駅小坂田公園で車中泊し、翌朝歩いて20分の中央線みどり湖駅から、始発で松本、新島々と乗り継ぎ、バスで安曇支所前に降り立った。

安曇支所前バス停

すると、いきなり土砂降りとなってしまい、30分ほど雨宿りをしてから8時に出発した。親切な地元の人からは「その格好で徳本峠を越えるの?」と心配されたので、目的地を告げると、「あれまー」と言われた。一緒にバスで降り立ったので、松本方面に歩くとは思われなかったのかな。ともかくも、旅に出て話しかけられるのは何だか嬉しい。
いつのまにか天気は急回復し、島々駅跡、新島々駅と黙々と歩いていくと、沿線は、桜の木が多く、桜吹雪が舞っており、結構良い気分となる。そのうち国道はつまらなくなったので、枝道に入り進んでいったところ、古屋敷や古い道祖神や古井戸の続く路地を見つけ、在りし日の旧野麦街道が想像できたのは望外のことであった。
昼食は、名物「上高地スタミナ定食」を食べ、この後、この日のハイライトである荒井城址で信玄を偲び、松本城で遊び、最終目的地である美ヶ原に一番近い「藤井バス停」に到達したのは、17時20分であった。

藤井バス停

あちこち寄り道したので、本来、22㎞の行程のところ、実際に歩いた距離は26㎞ほどであった。

(記 コーノ)

相模湖駅~景信山~明王峠

期 日:2019年4月7日(日)
参加者:Lオヨシ、ダイヤ、りっこ、レー子、そうべぇ、かじさか、こま、かわまさ、たちこ、みの、りこ、メイメイ、ヒー、おとっつあん、他2名(非会員)

4月7日(日)快晴
相模湖駅(8:40)-富士見茶屋(9:30)-小仏城山(10:50)-景信山(11:30~12:50)-明王峠(14:30)-與瀬神社(15:50)-相模湖駅(16:05)

朝から天気も良く絶好の登山日和。しかし中央線の遅延で予定より15分遅れのスタート。まずは甲州街道と並行する路地を歩き底沢バス停へ向かう。バスを利用したいとの声も聞こえたが、50周年記念山行のため交通機関は使用しないルール。途中でバスに追い越されたが、30分ほどでバス停に到着。中央線のガード下を過ぎると、美女谷温泉と小仏城山の分岐に到達。温泉に行きたい気持ちを抑えて城山方面へ。登山口が見えてくると、その向かいにはこじんまりした茶屋があり、名物!?の饅頭に何人もが心奪われた。小腹を満たした後は、城山までペースを抑えて会話を楽しみながら登る。

小仏城山

城山に到着し最初の記念撮影、たちこ一家はここで下山の途へ。城山が思ったより賑わっていたため、景信山山頂の混雑を懸念して先行隊は場所取りのためハイペースで向かう。急いだ甲斐もあり広めのスペースを確保できた。早速、豚汁の用意に取りかかる。頃合いを見計らったかのように後続隊も到着し、宴会スタート。お酒はもちろん、豚汁や差し入れも全て完食。眠気に襲われる前に山頂で記念撮影。

景信山山頂

明王峠までは各々のペースで進み、小休止をはさんで全員そろったところで與瀬神社方面に下山。神社の桜はまさに見頃で、自然と足取りもゆっくりになった。間もなくして相模湖駅に到着。親睦山行としてはやや長めの行程であったが、参加者の表情には疲れが見られず、満足していただけたのではないだろうか。

(記 オヨシ)

甲斐駒ヶ岳(黒戸尾根)

期 日:2019年3月23日~24日
参加者:Lみの、オヨシ、ヒー

3月23日(土)晴れ
相模原=竹宇駒ヶ岳神社駐車場(9:45)-笹ノ平(11:45)-刃渡り(13:45)-五合小屋跡(15:00)-七丈小屋(16:30)(幕営)

オヨシ号に自宅でピックアップしてもらい圏央道を経由して中央道を進み須玉ICで降りる、コンビニ探しで多少遠回りするも竹宇駒ヶ岳神社手前の駐車場に到着。神社にお参りして入山する。

登山口の吊り橋

笹ノ平周辺からアイスバーンとなりアイゼン装着。刃渡りと五合目小屋跡を順調に通過する。

刃渡り
0323_
五合目以降のハシゴ、高度感がスゴイ!

慎重に鎖場を通過して七丈小屋に到着、上の段の幕営地は満席のため、下の段の幕営地の雪を1m程掘って整地する。

3月24日(日)曇り後晴れ
幕営地(8:30)-八合目(9:30)-甲斐駒ヶ岳頂上(11:30)-八合目(13:30)-幕営地(14:45~16:30)-五合小屋跡(17:30)-刃渡り(18:30)-竹宇駒ヶ岳神社駐車場(21:20)

夜半から風が吹き始めて明け方には強風となる。いずれ天候回復するとの予報なので3時間程テントでごろごろと待機して風が穏やかになるのを待って出発する。30分程歩くと降りてくる数パーティーとすれ違う。話しかけ易そうな人に頂上の展望を訊ねると途中で撤退したとのこと。何度か耐風姿勢をとって八合目を通過する。

八合目手前、強風に吹かれながら
二本の剣

事故記録のある岩塔基部の左トラバース地点にはボルトが設置してある、高度感もあるのでスリングを渡して下山まで残置する。急傾斜な稜線が現れる、雪質は良くアイゼンの効きに問題ないが念のためロープを使う、途中にまたボルトが設置してあり中間支点になる。2ピッチだったか?でロープを仕舞い頂上への緩い稜線を進むと単独登山者とすれ違う、やがて快晴無風の頂上に至る。

甲斐駒ヶ岳山頂
北岳への稜線
鳳凰三山と富士山
仙丈ヶ岳

記念撮影して下山する。

無事に核心部を通過

幕営地に到着するとテントが無くなっている。支柱にしたストックが1本が残るのみ、谷底にも見当たらず全く跡形も無くなっている、小屋のアルバイトが来たので相談すると北風に飛ばされて南側の谷に落ちたのだろうとの事、オヨシと谷を下って捜索する、斜面を4~5百メートルも下った所でようやく発見して苦労の末に回収、テン場まで荷揚げする。
朝の天候待機に加えたこのハプニングのため下山時刻が大幅に遅れることになる。日没前に刃渡りを通過、ヘッドライトを使用して駐車場に至る。下山報告するも反省を促される事となる。

≪反省点≫
以降、テントには竹ペグに加えてMSRの自称10倍強度ペグを、またテント頂点から更に4本ガイライン追加できるようにして備えている。プラスチック製の自在は破損したので金属製に交換した。
1~2人テントでこのような経験は無い、テントは大型になるほど風を強く受けるので強風が予想される時のジャンボテントはもっての他と注意喚起する。

(記 みの)

高見石~天狗岳

期 日:2019年3月16日(土)~3月17日(日)
参加者:Lそうべぇ、コバヤン、みの、オヨシ、ヒー

積雪期のトレーニング山行も兼ねて、天狗岳から北へルートを延ばすことを考え計画した。麦草峠から天狗岳のコースを考えたが、麦草峠までの国道299号線はまだ開通していないため、入山地を渋の湯とした。時間があれば高見石から麦草峠往復して中山峠に向かうことも計画に入れていたが、高見石小屋到着が12時であったため、麦草峠に向かうことを諦め黒百合平へと向かった。

3月16日(土)
渋の湯駐車場(9:25)-高見石小屋(12:00)-中山峠(14:50)-黒百合平(15:00)

相模原を6時出発で渋の湯到着は9時前後、準備をして出発が9時30分前である。黒百合平へ直接向かうのであればこの時間でも良いが、高見石小屋経由で中山峠に向かうには遅くとも8時30分までには出発したいと思った。渋の湯からの高見石小屋まではトレースもしっかりと付けられていたため、ラッセルなどはせずに進むことができた。賽の河原手前から視界が開け、雲は多いものの青空に陽も差し始め暖かい。賽の河原を過ぎるとまた樹林帯に入り、しばらく歩くと丸山との分岐に出る。その先が高見石小屋である。ここから雪が深くなっているようなので、念のためにワカンを装着した。中山までの登りは雪が深く、ワカンが役に立つ。途中先行していた登山者のパーティはワカンをつけておらず苦戦していた。彼らを追い越し、雪を固めて登るので、そのあとは比較的楽に登れるだろう。中山までの登りは雪深く予想以上に時間がかかってしまった。

中山山頂

中山山頂近くで幾つかのパーティと出会った。黒百合平から雪山散策という感覚で登ってきているようなパーティだった。先頭のリーダーらしき男性はスノーシューを履いていてその後の女性たちは、ツボ足だった。またある年配の登山者は、雪に足をとられ苦労していた。アイゼンをつけているものの、雪に潜ってしまっている。ザックには立派なスノーシューをつけているのにもったいない。道具の使い方を間違っているように思える。黒百合平から天狗岳は雪山入門コースとして紹介されているが、道具の使い方については事前に勉強しておくべきだと感じた。経験を重ねることで道具の使い方も覚えていくものでもあると思う。黒百合平15時到着。テントを張る場所を探すが、小さなテントが多くかつ大きく場所を取っているため場所決めに苦労した。最近は大型のテントを張り共同でのテント生活はしないような傾向にある。ワイワイ言いながら食事の準備は楽しい。そしてなんでも旨い。酒も旨い。

3月17日(日)
幕営地(5:55)-天狗岳(6:50)-黒百合平(7:40~8:15)-渋の湯駐車場(9:30)

4時に起床し、5時55分にテントを出発した。どんよりとした黒い雲が上空にあるので天気が荒れないことを願った。中山峠から天狗岳に登っている途中から陽が昇り始め、雲は徐々に消えていった。しびれるくらいに寒いのでじっとしていられない。とにかくゆっくりと登り高度を稼ぐ。山頂についた時には陽も差し込み始めた。午後には天気が崩れるとの予報もあったので、記念撮影後、黒百合平へと急いだ。

東天狗岳

テントを撤収後渋の湯へ下山した。

(記 そうべぇ)