メンバー:RT、ST、NK、GY
8月8日(土) 快晴
道の駅湯之谷駐車場(仮眠)=雨池橋(7:10)~灰ノ又橋(8:10~8:30)~15m滝の掛かる枝沢(10:20)-花降沢出合(10:40)~裏荒沢出合(11:16)~ガレたルンゼ(12:03)~F5 12m滝(12:25~12:45)~二俣(13:00)~二俣手前幕営(13:20)
前夜、22時橋本駅に集合し、途中Y君を乗せて相模原を出発。交通量は多いが、渋滞することなく小出インターを降り、道の駅「湯の谷」の芝生にテントを張る。途中鶴ヶ島JCTで関越に入りそこない、以前Wさんに聞いたとおり、坂戸インターで事情を話し、料金を取られることなく再度入れていただくことができた。翌朝6時まで寝ていようと思ったが5時頃目が覚め、各自起きだす。装備、食糧の分担を確認し、パッキングをして雨池橋に出発。シルバーラインを通って雨池橋に到着。既に駐車スペースには多くの車が止まっていたが、すべて釣り師のものと思われた。以前中ノ岐林道のゲートを管理していた怖いおじいさんの居た小屋は跡形もなく、無くなっていた。出発の身支度をしていると2台車が到着し、7人の若者たちが乗っていた。行き先を聞くと、我々と同じ灰の又沢とのこと。ひとまず我々が先に林道を出発する。中ノ岐川本流の美しいナメを眺めながら歩いていると、越後の沢らしくアブの襲撃に苦しめられる。
1時間の歩きで灰ノ又橋に到着。アブを払いながら沢の装備を整えていると、若者パーティが到着。いずれ先を越されることは分かっているが、先行して入渓。出合はごく平凡、水量も少ない。すぐにミニゴルジュとなり、F1-5m滝が掛かる。直登は困難。左のルンゼを巻けないか試みるが悪そうなため、右壁を落ち口までトラバースし、更に踏み跡をたどって大きく巻いて沢床に降りる。ここで後続パーティに先を譲る。女性1名を含む20~30代の若者たちのパーティで、アルパインクライミングで知り合った混成パーティのようだが、難しそうなところを登って楽しんでいる様子、うらやましい限り・・・。
その後も登れる滝が連続し、快適に遡行。この頃から沢慣れないKさんのペースが落ち始める。花降沢出合手前の左岸側から15m滝が掛かる枝沢のところで、Kさんの共同装備の一部をY君に持ってもらう。
花降沢出合を過ぎるとF4-25m4段滝。先行パーティは直登を試みているが、途中に大きな釜があるためか、苦労している様子なので、我々は素直に左から巻くこととする。高巻きの途中には過去の記録にあるように美味しい湧き水があり、ちょっと一息。沢に戻り、間もなく裏荒沢の出合。地味な出合で幕営適地もなさそうなので、明日は裏荒沢の途中で適地を見つけるほうが良さそうだな、と思いながら通過する。
やがて正面にガレたルンゼが見え、沢は直角に左に折れる、不思議な地形だ。「この分だとロープを1回も使わないかもね~。」などと話しながら進むと、F5-12m滝が見え、先行パーティが左岸水流近くをロープを出して苦労しながら登っていた。もう少し右にルートを取れば、ホールドもしっかりしており問題なく登れそうなため、GY君、Tさんはノーザイルで登り、Kさんの疲労を考え、ロープを下ろしてもらい、無事通過。F5上の左岸側は幕営可能に思われたが、先行パーティがそこに幕営するようなので、我々は適地を探しながら、もう少し先に進むこととする。何ヶ所か適地はあるが、雪渓が消えたばかりでどこもグズグズしている。そうこうしているうちに二俣に到着。左俣の先で幕営した記録もあるようなので、Tさんが先まで偵察に行くが、良いところはなかったとのこと。少しぬかるんではいるが二俣から数分戻った左岸側を本日の幕営地とした。
周辺の草を刈り、草を敷き詰めた上にテントを張ることにして、バイルで草を刈っているとき、私がバイルの先端で自分の右ひざを叩いてしまった。それでも必要な草を刈り、テントを張り終えて膝を見ると、膝当てから血が滲んでおり、傷の手当てをするが、なかなか出血が止まらず、手ぬぐいで圧迫して、幕営の準備をする。
焚き木を集め、夕食の準備にはまだ早いが、宴会を始めていると、若者パーティの2人が釣り登ってきたが、釣れたかどうかは聞かなかった。久しぶりの焚き火は良く乾燥しているためか、何の苦労もなく火が着き、勢い良く燃えた。
私の膝は寝るまで出血がじわじわと続き、打撲による腫れで膝も熱を持っており、翌日の行動に不安を感じるが、せっかくここまで来て自分の不注意で行動を中断することは避けたい。しかし強行して逆に迷惑をかけることになってはまずいと思い悩む。更にTさんが剥がれかけていた左足の親指の爪を石にぶっつけたのか、めくれて非常に痛そうなこともあり、明日の朝の状況で行動を決定することとした。
8月9日(日) 晴れ 一時雷雨
幕営地(6:45)~二股F6二条滝(6:55)~奥の二俣(8:20~8:30)~二俣(9:20)~F9 7m滝(10:00~11:00)~稜線(12:30~13:05)~荒沢岳山頂(13:10~13:30)~前嵓(15:30~15:50)~前山(19:20)~荒沢岳登山口(20:00)
~銀山平船着場駐車場(20:20)
5時起床としたが、4時30分にはみんな起きだした。Tさんの爪は何とか大丈夫とのこと、私の膝も出血はなんとか止まり、打撲だけのようなので、痛み止めを飲めば行動できそうなため、予定通りの出発とする。
焚き火の始末をし、6時45分出発。すぐに二俣となるが左俣の方が開けているため間違えるパーティも多いのではないかと思う。右俣には出合にF6-6m二条滝が掛かっており、左をやや濡れながら登る。冷気を感じ、その先に雪渓の存在を感じるが、崩壊した雪渓がしばらく続き、特に支障はなかった。ルート図にはこの先奥ノ二俣まで特に問題になる滝は記録されていないが、途中3m程度の滝でロープを出し、左の草付きの潅木に支点を1ヶ所取り越えた。
やがて前方に雪渓が二俣に出る。右俣が貧弱に見え、左俣の先も更に二俣になっているようにも見えるため、GY君が空身で左俣を偵察に行き、貧弱だが右俣に進んで良いことを確認して来た。右俣で一旦雪渓は消えたが、しばらく進むと再び雪渓が現れ、ここで若者パーティが追いついてきたので先を譲ると雪渓の崩れる鈍い音がし、トップを歩いていた若者が崩れた雪渓と一緒に越まで水に浸かったようだが、笑い声も聞こえ、たいしたことはなさそうだった。雪渓が途切れると更に沢は二俣に分かれ、右俣に掛かる4mの垂直な滝を左俣側から越えて、右俣に戻り、その先で休憩。下で休憩していた若者パーティが通過する際に、少し話しをすると、7人パーティのうちの2人は相模山遊会とのこと。K君がいた暁山岳会であることを話すと、K君は退会し、今はカヌーにはまって海の男になっています、とのことだった。休憩後その先の二俣を更に右にルートを取るとF9-7m滝かはっきりしないが、ホールドの乏しい滝で先行パーティが登っており、順番待ちとなる。先行パーティは何人かノーザイルで登り、ロープを下ろしてプルージックで上げたようだった。順番待ちの間、Tさんが滝の下のわずかな水溜りに体長3センチ程度のサンショウウオがいるのを見つけ、みんなで感動して見ていると、他に何匹もいることが分かり、飽きることなく順番待ちができた。
我々はY君リードで途中ハーケンを2本打って支点を作り、無事突破。その先で水は枯れ、荒沢岳の山頂が良く見えるが、まだ300m近く登らなければならない。ガレた沢を詰め、最後は草付きを腕力で登るが、傾斜がきついため、慣れないKさんには非常に辛かったようで、消耗が激しく、稜線からロープ下ろして上がってもらう。13時10分、全員でピークを踏むことができた。
計画では裏荒沢を下降することとしていたが、安全を優先し一般道を下ることとしたが、前嵓からのハシゴ、クサリ場でかなり時間を取られ、荒沢岳登山口に下りたのは20時になってしまった。銀山平は満点の星と蛍で我々を迎えてくれた。